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この世が終わるまで慟哭する!「Be With You ~いま会いにゆきます」(2018) ソ・ジソプ、ソン・イェジン主演! コン・ヒョジン特別出演

2020-01-26

作品情報

  • 評価 5.0★★★★★
  • 制作 2018年韓国
  • 公開 韓国:2018年5月17日  日本:2019年4月5日
  • 原題 지금 만나러 감니다(いま、会いにゆきます)
  • 英語題 Be With You
  • 原作 「いま、会いにゆきます」 市川拓司  2003年小学館出版
  • 監督 イ・ジャンフン
  • 脚本 イ・ジャンフン、カン・スジン
  • 出演
    ソ・ジソプ---チョン・ウジン
    ソン・イェジン---イム・スア
    コン・ヒョジン---特別出演、ウジンの見合い女
    イ・ユジン---高校生ウジン
    キム・ヒョンス---高校生スア
    キム・ジファン---チョン・ジホ、ウジンの息子、小学生
    パク・ソジュン---大学生のジホ
    コ・チャンソク---ホング、ウジンの高校時代からの親友、グーゴルベーカリー主人、仙女ベーカリー主人
    イ・ジュニョク③---チェ講師、プール教室の同僚
    ソン・ヨウン---ヒョンジョン、プール教室の同僚

あらすじ(ネタバレなし)


妻が死んで1年が経とうとしていた。ウジン(ソ・ジソプ)は息子との二人暮らしにも慣れ、日常を取り戻しつつあった。息子のジホ(キム・ジファン)は最近うれしそうにしている。もうすぐ梅雨の季節が訪れ、ママが雲の国から帰ってくると思い込んでいるのだ。妻が残した絵本には、梅雨になったら雲の国から帰ってくるママペンギンの話が描かれてあった。そんなお伽話の世界があるわけないのに。ウジンはジホを哀れに思い、優しく抱きしめる。

その日は、朝から雨が降っていた。ジホがママが帰ってくる!とうれしそうに家から飛び出していく。追いかけるウジン。廃線の深浦里駅で二人でママを待つがママは帰ってこない。うなだれるジホ。当然のこととはいえ、ウジンも悲しかった。ジホをなだめながら廃線沿いを帰る途中、トンネルの向こうに女性が地面にぺたりと座り込んでいた。ジホがママだ!と叫ぶ。二人で近寄ると、本当に死んだはずのママ(ソン・イェジン)が座っていた。どこかで頭を打ったのか、彼女は記憶喪失になっていた。

キツネにつままれたような話だが、ウジンはスア(ママ)を恐る恐る家に連れて帰る。ジホは興奮してスアから片時も離れない。彼女は本当に記憶を失くしているらしく、ウジンは息子と二人だけで、ゆっくりママの記憶を戻してあげようと提案する。誰にも秘密で。

あくる日からウジンとスア、ジホの3人の生活が始まる。夢のようだが1年前とまったく同じ時が流れはじめた。スアは記憶を取り戻そうと、ウジンに結婚する前の記憶を尋ねる。ウジンは二人が高校時代に出会ったこと、自分が病気をしたこと、病気を乗り越えて結婚したこと、ジホを授かったこと。思い出を一つずつ話してあげる。うなずくスア。

スアは、ウジンとジホとの暮らしにしあわせを感じ始めていた。このまま当然ここで暮らしていくのだと思っていた。ところがある日、スアが掃除をしていると、あるノートを見つけてしまう。それは隣りの小屋の本棚の上に隠すように置いてあった。ノートの持ち主はイム・スア。自分だ。そこには、16年前ウジンと初めて出会った高校時代からすべてのことがつづられていた。

スアは自分が何者であるのか、記憶喪失になった理由、そして時間がいくらも残されていないことを知る。泣いてはいられない。愛する家族に向けたスアの毎日が始まろうとしていた。


ソ・ジソプとソン・イェジン。韓国では人気トップクラスの二人が17年ぶりにラブストーリーで共演し、大きな話題となった。韓国公開後15日目に観客動員数200万人超えを達成し、411万人を動員した「建築学概論」(2012) に比べても2日も早い記録更新である。ここに断言する。愛する人を死んでもなお見守り続ける、どストレートなラブストーリーにあなたの涙腺は決壊することでしょう。きーつけなはれや~。



※この先は、ネタバレが含まれます。未だ御覧になってない方は読まないことをお勧めします。


ソ・ジソプ、ソン・イェジン、子役のキム・ジファンの演技力! あなたたち、一体どれだけ泣かせたら気がすむの?!

日本版「いま、会いにゆきます」を見ていないので比較できないのだが(竹内結子の演技力の低さに臨場感をぶっ壊されるのを恐れた)、見なくても全然よかったと思っている。韓国版で十分でした。十分どころか、この映画には満点をつけさせていただきました。もちろん残念な点もありますが(後述)。

キャスティングすばらしかった! 
映画制作当時、ソ・ジソプ41才ソン・イェジン36才

韓国のエンタメ市場に長い間君臨してきた二人。年齢的にお父さんお母さんを演じる年になってますが、それぞれ独身。イケメンなお父さんと美人なお母さんで、ストーリー上ぜんぜん違和感なかった。実力派の二人だけあって、もう安定しているというか何というか、どこで思い切り泣かせてくれるのだろう? そればかり期待していた。

ところが、どこどころか、予告で思い切り泣かされ、冒頭アニメのペンギン物語で慟哭させられ、すでに酸素呼吸ができないくらいのぐぎぎぎぎぎ!状態から本編の映画に突入していった。何度もプレーヤーを止めて休憩を入れないと、こりゃ完全に死んでいたと思う。観賞後は干からびたスルメのようになって、それでも不思議と涙は流れ落ち・・・。わたしみたくスーパー泣き上戸の人間ってこういう映画は死病に値すると思う。ドクター付きでないと泣かせ映画は危険極まりないのだ。

とくに、子役のキム・ジファン君の伸び伸びとした演技。どんな大御所も子役には勝てないとはこのことだろう。幼くしてママを失くし、ママを恋慕するいじらしい演技が涙を誘ってならなかった。とくにスアが梅雨初日に戻ってきた時、スアにまとわりついて片時も離れないジホの姿がいじらしくて印象に残る。子役ってほんと子猫のように純真でかわいくて、まったく批判のしようがないです。よかった!

キム・ジファン君は本作以外は出ていないみたいですが、これだけの自然な演技力。将来がめちゃくちゃ楽しみです。

脚本構成力の勝ち! ウジンの物語とスアの物語。目線を変えて語られる純愛ストーリーに胸をわしづかみにされる! 恐れ入りました。

最後の15分こそがこの映画の目玉だ。スアの語る純愛物語が映画をクライマックスに誘う!

映画は、ウジンが妻スアを病気で亡くした1年後から始まるが、実際は高校時代のウジンとスアの初恋すべてを含めた純愛物語だ。ジホを産んで以後病弱になった母スアが亡くなる。ウジンと息子の二人だけの生活になるが、亡くなった以後も二人の純愛がずっと家族を包み込んでいく。おおまかな話の流れは分かっていながらも、これだけ泣けた映画もめずらしいと思った。


映画はウジンの目線ではじまり、後半の後半、スアが雲の国へ去った後、スアが残した日記をウジンが読むところからスアの目線で物語が語られる。

この構成力は自然でとてもすばらしかった。韓国映画にありがちなタイムワープを乱雑に繰り返す作品とは全く異なる。スアが雲の国に戻った時、上映時間がかなり残っていたところから、これはこの映画まだまだ何かがあるのだと直感した。


そして、スアの口から語られる高校時代にさかのぼる物語は、それはもう何と言ったらいいのかわからないほど胸を打つものだった
スアの日記の告白! この最後の15分こそがこの映画で最も感動する珠玉の時間である。
ウジン目線でずっと物語を追ってきた観客は、心底はっとしただろう。まったく小憎らしい構成なのだ。

スアは、高校時代から学校でぶっちぎりの成績優等生であったが、優等生にありがちな不器用で愛想がまったくないタイプだ。高校時代をキム・ヒョンス、高校卒業後からをソン・イェジンが演じているが、二人ともしじゅう眉間にしわを寄せてしかめ面をしているスアを、これまた見事に演じている。それはもう笑えるほどだ。どうしてこんなに愛想がないのだろう。スアに心を寄せていたウジンは、スアの愛想なしにいつも傷心していた。しかし、それはスアの日記を読む内に明らかになる。

スアも実はウジンが好きであったこと。心臓が飛び出るくらい好きなのに素直になれなかったことが。スアの眉間のシワは恋に悩む乙女の姿であった。あう。

感動はここだ! 自らを主体的に生きようとするスアの強さ。こうと決意した女は強い! ハンサムだ!

ウジンに会いたいと電話するスア

スアの日記を通した告白は、ほんとうに衝撃的ですばらしい感動を呼ぶ。

①スアもウジンが好きであったこと。しかも初恋の相手だ。
②ソウルまで会いに来てくれたウジンを追いかけ、車事故にあったスアが昏睡状態の中で見た不思議な予知夢。将来ウジンと結婚し、ジホという子供をもうけて幸せに暮らすが、32才の時に病死するという悲しい夢を見たこと。
③スアは、その予知夢が現実になることを恐れたが、家族の反対を押し切り、病気で水泳選手になれず落胆していたウジンと結婚した。

なぜウジンとの結婚に踏み切れたのか?

「あのひどい車事故にあっても自分が生きていたことは、未来のあなた(ウジン)とジホがわたしのことを待っているからだと直感したからだ」

スアはよどみなく語る。陽光の下、すべての運命を覚悟したスアが公衆電話に走り、受話器をとってウジンに会いたいと告げるシーンはほんとうにほんとうに胸を打つ。わたしの一番の感動シーンであった。

人は、こうなると分かっていても、時には運命に対峙しなくてはならない時がくる。
勝気なスアが度胸を決めて走り出した瞬間こそがこの映画の珠玉のシーンだ。


余談だが、考えてみるとウジンとスアはほんとうに対照的だ。一体どっちが男なの?と聞きたくなる。ジェンダー論としてはこの表現はタブーなんだろうけどね。水泳選手の夢を絶たれたから「おまえのことがキライになった」と別れを告げてうじうじするウジンと比べると、スアは猛烈にカッコいい。わたしはスアの嫁になりたいと思ったほどだ。


女スアの決断はこうだ!

悩みながらもウジンとの結婚を決断し、ウジンにプロポーズするよう誘導し、結婚して、子供をもうける。
死んだ後は、雨粒列車に飛び乗って地上に戻り、ジホに掃除洗濯料理を教え、楽しい思い出をつくり、愛してると男どもを抱きしめて雲の国に戻る。ジホには成人するまでケーキと手紙が届くようにパン屋のホングに手配して。そして、ウジンがいつ来てもいいように雲の国の隣の席を空けて待っていてくれる。

「わたし、(人に)あれしろこれしろと決められたくないの。白黒決めるのは私自身だから」

スアの口癖だ。
彼女の言う通り、スアはこう生きると決め、そのように生きてすべてを成し遂げた。彼女は今雲の国で待っている。なんてカッコいい女なのだ。ほれぼれする。あ、もちろんどこまでも優しいウジンがキャッチャーのように後ろにいてくれてたからだと思ってます。ウジンあってのスアなのですから。

おもしろかったシーン!気になったシーン!

電話ボックスで大もみ合い! スアにデートを申し込みたいのに意気地なしのウジン。助っ人ホングは苦労するよ。

ぐがー!電話を切りたいウジン。そうさせまいとする親友ホング!

ここ大爆笑!!! でした。ひー!
高校卒業後、愛しいスアをデートに誘おうと、公衆電話から何度か挑戦するも恥ずかしくて途中で切ってしまうウジン。

今回は、親友のホングが助っ人として参戦し、恥ずかしくてまた電話を切ろうとするウジンと、切らせまいとするホング が狭い公衆電話の中でドタバタもみ合うシーン。このドタバタが、コントかよ!?と思うくらいおかしくておかしくて。ははは。好きな人にたいする恥ずかしい気持ち、ふられたらどうしようと慄(おのの)く気持ちが痛いほどわかるので、おかしいやら切ないやらの綯い交ぜ(ないまぜ)の気持ちにさせられた。

ほんとうにコ・チャンソクさんいい味出してる。こういう見事な脇役があってこそ映画やかっこいいイケメン主人公は映えるわけで、映画界にとってはこのポジションにいる人たちは本当に宝なのだ。

めっちゃ笑ってしまった! 特別出演。こういうコン・ヒョジンの使い方って悪くない。

小悪魔な目を投げかける韓服女、コン・ヒョジンの登場!

親友ホングが良かれと思って男やもめウジン(ソ・ジソプ)のために見合いを設定したのだが、結局ウジンは見合い相手の顔も見ずに去ってしまう。心の中にはマイダーリン・スア(ソン・イェジン)しかいない男だから。

なんとその見合い相手として登場した韓服女こそは、ドラマ映画で大活躍のコン・ヒョジンさん。いやーびっくりした。全然予期していなかったので、カメラが回り込んだ瞬間にヒョジンさんの小悪魔な目線が飛び込んできた時は、拍手喝采しました(一人で喝采!)。ほんっとうれしかった。コン・ヒョジンとソン・イェジンはプライベートでも仲が良く、インスタでもお互いコメントつけ合ったり、女子会を組んだりしているぐらいだから、それを知ってるファンならこのシーンはその流れで出来上がったものだと思っちゃう。

監督がこのシーンにコン・ヒョジンさんを入れてくれたこと、ほんとうにうれしいし、しかも彼女がコ・チャンソクさんと絶妙な絡みを見せてくれてこれまた最高に楽しかった。この後、この韓服女とホング(コ・チャンソク)は男女のカップルとしてまとまったのか? 韓服女が送る熱い視線に男ホングは陥落してしまったのか? 映画では分からなかったけど、想像しただけでも笑えるシーンでした。

こういう茶目っ気のあるシーンは、観客サービスとしてすこぶるセンスがいい!

評価満点だった本作だが、残念だった部分が2点ある。

めちゃくちゃ暗いのよ! 照明さん、明るくしてくださーい。

全体的にごっつー暗いのである。

それは陰鬱で怖いという意味ではなく、単に色的に暗いのである。目がしょぼしょぼして疲れてくる。

梅雨の時期を舞台にしているので雨のシーンが多いのは分かるのだが、プールで泳ぐ場面さえもめちゃめちゃ暗いのだ。外のシーンでないと絶望的な暗さだ。なぜあそこまで暗くする必要があるのだろうこの映画? ソ・ジソプやソン・イェジンが40を越えて来たからシワが見えないように暗くしているのか? 

冒頭の挿入曲が、ディズニーの「アラジン(Aladdin) 」の挿入歌に激似。音楽担当、ええ加減にせーよー。

早朝、ウジンがそっと起きて自転車に乗って職場の掃除に向かうシーン。

BGMとして流れてきた曲が、「アラジン」の A Whole New World に激似! 臨場感ぶっちり切れちゃった。やっちゃったな~って感じ。Disneyは別に好きではないけど、A Whole New Worldは大好きだったので、この耳にしみついていた。

こんなすばらしい映画に、どうしてこんなことが起こるんだろう。どうしてこれほどあからさまな激似をやるのかわからない。恥ずかしいと思わないのかな。オリジナルを作ってこそなんだから。どんなにつらくても、ああいう有名な曲をパクっちゃダメだと思います(有名でなくてもダメ~)。

このレビューはだれのレビューも参考にしていないので、他の誰かもポカホンタスのことをコメントしている人がいるかもしれませんが、わたしもこれはちょいパクリかなと。音楽担当パン・ジュンソクさん。今後はたのみまっせー。

冒頭、スアが息子ジホを思って書いた親子ペンギン物語。韓国字幕付きがほしい方はこの動画でどうぞ!

わたしはこの韓国字幕がありがたいと思ったので、みなさんへの情報として入れておきます。

子供にやさしく説いて聞かせる内容なので、暗記するぐらい音読すると韓国語学習になっていいと思います。なによりも韓国語字幕付き、かつソン・イェジンの声で朗読されるので、これはもうお宝動画だなと思いました。

わたしはこれをノートに書き出して何度も読んでます。読めば読むほど心がしあわせになってくる不思議な韓国語です。
韓国語は魔法の言葉。人の心を癒す効果がある。信じてます。
(ちなみに、政治・歴史はうんざり)

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毒女 悦子

韓国映画をみてハッと胸をわしづかみにされたことありませんか?
悲しい時つらい時に韓国映画を見て、心がほんのすこし救われたことありませんか? しあわせを感じたことありませんか?

わたしはたくさんあります。

韓国映画のもつ奥深さになぐさめられたり、息もできない胸苦しさを覚えたり、一日中その余韻に浸ったり、夢の中まで追いかけられたり。 韓国映画に流れるあたたかいもの、残忍なもの、切ない永遠のものに、 ずっとずっと恋をしています。

同じ気持ちの人たちとつながっていたい。

アラフィフ。老後が心配。
でも死ぬまで韓国映画を抱きしめているぞ。

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