スリルとサスペンス

チョ・ジヌンが追いつめられる!「犯人は生首に訊け」(2017)

2019-10-07

4月、漢江が解氷すると殺人犯にとって邪魔ものが現れる

作品情報

●評価 2.5★★☆
●制作 2015年
●上映時間 117分
●原題 해빙(解氷)
●監督 イ・スヨン
●脚本 イ・スヨン
●出演
チョ・ジヌン、シン・グ、キム・デミョン、ソン・ヨンチャン、イ・チョンア、

あらすじ

あらすじ
ピョン・スンフンチョ・ジフン)は内科医である。離婚後、心機一転、江南に開業したシン内科医院で新しく働きはじめた。近隣で内視鏡を受けられる唯一の病院ということもあって、毎日たくさんの患者が受診しにくる。

ある日、内視鏡で検診中、麻酔にかかった一人の受診者が寝言で奇妙なことを口走り始める。死体を切り刻んで橋に埋め、頭部はまだ冷凍庫の中に置いてあるという。受診者は自分が賃貸している大家(ソングン)父親(チョン)であった。大家はスンフンのマンションの一階で肉屋を経営している。その日からスンフンは肉屋の動きが気になり始める。

スンフンが住む地域は、開発がされる以前はとても治安が悪く、15年間未解決の殺人事件が連続して起こっていた。スンフンが新しい勤務先に慣れ始めた4月、漢江で首なし胴体が見つかる。品行方正で静かに生活することを好むスンフンは、猟奇的な殺人事件はもちろん、日常の喧騒もにがてだ。
数日後、離婚した妻スジョン(ユン・セア)がスンフンのマンションを訪れる。小さなことで口喧嘩になり、スジョンは帰ってしまう。窓から見つめるスンフン。なぜかその日からスジョンは行方不明となる。

警察に失踪届けが出され、スンフンは妻に最後に会った重要人物としてマークされる。自分はなにもしていないと主張するスンフン。その後、スンフンのマンションを訪れたミヨン看護師も帰宅途中に行方不明になる。
スンフンは不審な行動をとる一階の肉屋への疑いをますます募らせる。未解決の連続殺人事件、妻やミヨンの失踪。彼らを拉致して殺害しているのは、肉屋の父子ではないか。

ある晩、証拠をつかんでやろうと、肉屋の冷凍庫に潜入するが、スンフンはとんでもないものを目にすることになる。一体あの親子は何者なのだ?!



※ここから先はネタバレが含まれます。未だご視聴になってない方は、読まないことをお勧めします。


いつも怯えるチョ・ジフンが愛しくてならない

医師スンフン役(チョ・ジフン)

最後まで行く」「高地線」などで存在感半端なかったチョ・ジフンが主演となって戻ってきた!もうこれは見るっきゃないと思った。

なにが良かったか一言でいうと、

しじゅう怯えるチョ・ジフンが震えるぐらいかわいかったってことです。

今回は、物静かで人と争うことがキライな内科医スンフンチョ・ジフン)を演じている。スンフンは離婚したせいもあり、人生で最高に落ち込んでいる。セクシーな女性看護師ミヨンが意味ありげなモーションをかけてきてもまったく気づかない。フリをしているのか天然なのか。

医者なのに、紳士で驕(おご)らず昂(たかぶ)らず、ランチはおにぎり二個とダイエットにも挑戦したりして実に控えめな毎日を送っている。180cmはある高身長、スリムで中年太りとは縁遠いお腹回り。服も質素でちゃらちゃらせず、離婚した妻と暮らす息子のためにせっせとおもちゃを買ってあげたりする。

チョ・ジフンさんと言えば、刑事かやくざ役のアクションシーンが常套のように思い出されるが、今回は内気で物静かな医師役がぴったりはまっている。物語が進めば進むほど、訳の分からない不安に押しつぶされそうになって、子犬のように怯えて呂律が回らなくなる姿が女性ファンの心を思い切り奪いまくっていたように思える。

さすが色男ジフン様だ。
彼のファンは、この映画で悶絶することだろう。

映画はすこし冗長で、インパクトに欠ける

生首」というタイトルはだれがつけたんだ?
邦題は完全に負けましたね。

原題の「解氷」という題名のほうが、松本清張ばりの大人な雰囲気があってずっといいのにと思った(4月になったら漢江の氷が解けることがヒント)。

この映画、タイトルをどうつけるにせよ、内容は中途半端なスリルとサスペンスものに終わってしまった感がある。韓国映画が初心者という人にはよかったかもしれないが、常連さんたちには受けがよくなかった。

夢落ちするスンフン(チョ・ジフン)

夢落ち」が頻発したことも、現実と夢の錯綜も、精神錯乱も、常連さんたちはみーんな想定済み。どんでん返しのどんでん返しなら、もう少し丁寧にきびきびやってもらいたかった。

伏線のばらまき方も回収も中途半端になってしまったのは、やはり夢落ちを複数回つかったから。夢落ちの頻発は、観客がよっしゃ来いと作品と向き合っているところに水を浴びせかけるようなもので、緊張感がぷつりと切れてしまう。映画が真剣勝負を避けて、逃亡をはかるからだ。小手先の映画に終わる予感がして観客は一気に冷める。

種明かしについてだが、映画は、3/2が主人公スンフンの主観の世界で描かれ、残りの3/1は警察署に拘留されたスンフンに聞かせる形で客観的に種明かしがされる。看護師、肉屋の社長、その息子がつぎつぎと証言し、わたしたちの知らなかったスンフンの別の顔が暴かれたりして、これはこれで楽しかった。


事の真相はこうだ。
スンフンは江南に引っ越してくる前に開業医として病院を経営していたが、その資金を融資してくれた闇金業の女社長を返済苦から殺していた。そのことは間違いないものの、本人の精神疾患からスンフンは現実を受け止めきれていないことがこの映画をややこしくしている。

つまり、人を殺したことを自覚していないのにもかかわらず、肉屋の殺人を暴こうしている。体を半分をのみ込まれたヘビが他のヘビを半分のみこんでいる状態と同じだ。監督はなにを表現したかったのだろう? 作品の重厚感がますとでも想像したのか?

15年間、連続殺人事件を繰り返す父子が経営するマンションに、新人の殺人犯が引っ越してきた。ただそれだけのことだ。さぁ警察は果たして各々を区別して立証できるのか?


「一度やったら楽しくてやめられない」
快楽殺人をつづける肉屋のじーさん。その後始末に振り回される哀れな息子。

この二人を野放しにするな!
一刻も早く逮捕されることを望む。

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毒女 悦子

韓国映画をみてハッと胸をわしづかみにされたことありませんか?
悲しい時つらい時に韓国映画を見て、心がほんのすこし救われたことありませんか? しあわせを感じたことありませんか?

わたしはたくさんあります。

韓国映画のもつ奥深さになぐさめられたり、息もできない胸苦しさを覚えたり、一日中その余韻に浸ったり、夢の中まで追いかけられたり。 韓国映画に流れるあたたかいもの、残忍なもの、切ない永遠のものに、 ずっとずっと恋をしています。

同じ気持ちの人たちとつながっていたい。

アラフィフ。老後が心配。
でも死ぬまで韓国映画を抱きしめているぞ。

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