メロー ラブロマンス

コン・ヒョジンのファンなら見逃せない!「ミスにんじん」(2008)

2019-10-06

誰の話も聞かない!この女、世界最大級に てごわい!

作品情報

●評価 3.0★★★
●制作 2008年
●上映時間 100分
●原題 미쓰 홍당무(ミスにんじん)
●英語題 Crush and Blush 
●監督 イ・ギョンミ
●脚本 イ・ギョンミ、パク・チャヌク、パク・ウンギョ
●製作 パク・チャヌク
●出演
コン・ヒョジン、イ・ジョンヒョク、ソウ、ファンウ・スルヘ、パン・ウンジン、ポン・ジュノ、チョン・ジョンフン、パク・チャヌク

あらすじ

ヤン・ミスク(コン・ヒョジン)は、高校のロシア語教師だ。
昔からひどい赤面症で、それがコンプレックスである。好きな男性と面と向かって話すことができず、自分の感情をごまかしたい時はショベルで土を掘りはじめる奇妙な癖がある。地味で愛想もない上に個性が強すぎるミスクは、学校の中でひときわ浮いた存在だ。ミスクはそんな自分がみじめでキライだった。

中学時代の担任ソ・ジョンチョル(イ・ジョンヒョク)にずっと片思いをしている。教師の資格をとり、ソ先生と同じ高校に赴任するぐらい彼への執念は強い。一途な想いは彼が結婚した後も変わらない。きっと彼もわたしが好きに違いない!とミスクは強く確信する。

そんなミスクのライバルは、同じロシア語教師のイ・ユリ(ファン・ウスレ)だ。ミスクと対照的にユリは可憐でかわいく、おまけに性格もいい。同僚の男性教師はみなユリにぞっこんだ。

ユリはやっかいなことにミスクの職をおびやかす存在だ。ミスクが愛するロシア語は世間で人気がないことから職員枠を減らされ、ユリ一人がロシア語を担当することになる。ミスクは不得意な英語を担当させられるはめに。ユリは次々と私の幸せを奪っていく。ユリは脅威であり、世の中から消えてもらいたい人No.1だった。

ある日、ユリがソ先生とつきあっていると直感したミスクは、ますますユリへの憎悪をたぎらせる。こいつを消さねば、私とソ先生の未来はない。はてどうしたものか。思案するミスクはいいことを思いつく。

ソ先生の娘ジョンヒ(ソウ)がユリに良い印象を抱いていないことに乗じて、ユリと彼の交際を阻止することを思いつく。ミスクはジョンヒと結託して父親であるソ先生の携帯を盗みださせ、彼になりすましてネットからユリに交信する。

ユリはソ先生が自分にエロく絡んでくることに最初は嫌悪を感じていたが、やがて快感へと変わっていく。エロ攻撃にのりのりのユリ。あてが外れたミスクとジョンヒは焦る。ぐずぐずしているとソ先生の離婚が成立して、ユリと結婚するかもしれない。最悪のシナリオだけは避けたい。

ミスクは、ソ先生を自分のものにしたい。
ジョンヒは、両親の離婚を阻止したい。
二人の利害が一致し、最初はうまく機能していたミスクとジョンヒの同盟に次第にひずみが生じる。本妻ウンギョ(パン・ウンジン)も二人の企みに気づきはじめる。

29年間負け犬人生のミスクは、どうなるのか?
はたして最愛の人とゴールインできるのか。


製作陣の豪華さは他にひけをとらない。実は、とても特別な映画!

コン・ヒョジンは不思議な役者だ。
どう表現したらいいのだろう。好きだ!というよりも「気になって仕方がない」という表現が当てはまる。コン・ヒョジンが出演していると聞いただけで、脇役でもチョイ役でも見たいと思う。彼女ならほんの5分でも見応えある演技をすると分かっているので、心が躍るのだ。

今、このままがいい」「女は冷たい嘘をつく」「エターナル」、どの映画を見ても彼女の存在感は半端ない。素人が見ていてもそれは伝わる。この女の人、なんか知んないけど心に残るんだよね。それほど彼女は私たちの心に何かを置いていく。すばらしい役者さんだ。

そのコン・ヒョジンが28才の時に映画で堂々の主演を果たしたのが、この「ミスにんじん(미쓰 홍당무)」である。この作品で、彼女は映画デビュー以来初めて主演女優賞を獲得し(2008年大韓民国映画大賞)、感極まって涙を隠すことが出来なかった。

加えて、この映画、作品を盛り上げるため、目玉が飛び出るぐらいの特別ゲストが出演している。

なんと、①「グエムル」「母なる証明」のポン・ジュノ監督が英語スクールの受講生役として、②「REC」「新しき世界」のチョン・ジョンフン撮影監督が修学旅行写真のカメラマンとして、そして③「オールド・ボーイ」「親切なクムジャさん」のパク・チャヌク監督が通行人として登場していた。

ちなみに、パク・チャヌクさんにいたってはこの映画の製作者でもある。力の入れようが伝わってくるではないか。

これを知っただけでもぞくぞくするではないか。

①ポン・ジュノ監督(英語スクール受講生役)

②チョン・ジョンフン撮影監督(カメラマン役)

①と②の登場シーンは明白であったが、③のパク・チャヌク監督がどこに出ているかみなさんはお気づきになっただろうか? 

パク監督は修学旅行写真が撮られる直前にタイミング悪く写真のフレームに入り込んできた通行人役として、1時間1分48秒頃に登場する。そう、たぶんこの人であろう。↓

③パク・チャヌク監督(通行人役)

なんとこの3人の名監督が「ミスにんじん」を盛り上げようとして一役買っているのである。パク・チャヌク監督にいたってはこの映画の脚本にも関わっているという、とても特別感がある作品なのである。

また、イ・ギョンミ監督も、2008年青龍映画賞では新人監督賞だけでなく脚本賞も受賞している。非常に評価の高い作品であることをまずもってお伝えしておきたい。



※以下はネタバレが含まれます。未だ視聴されていない方は読まないことをお勧めします。


評価がむずかしい映画。監督はなにを伝えたかったのか?

いくらコン・ヒョジンが何でもこなせる天才であっても、この作品には苦労が多かったという。なぜなら、この主人公ミスクがあまりにも偏屈だからだ。役者の演じる限界をさらりと超えるのがミスクという役柄のてごわさ。超偏屈大魔王ぶりだ。だれがこのシナリオ書いたんだ?

いつも誰かのせいにするミスク(コン・ヒョジン)

偏屈は偏屈なりに、けなげで愛嬌があればいいのだが、ミスクは何か失敗する度に、「あいつにはめられた」「あいつさえいなければ」「あたしが何したのよ!」とことあるごとに自分ではない「誰か」のせいにする。こういう困ったちゃんは隣り近所にいるゴミの分別ができないトラブルメーカーを想像させる。

そう。ミスクのひがみ妬みは度を超えている。
そんなミスクと対照的なのが美人のユリ先生だ。通常、映画やドラマでは、ブスで努力家の主人公 VS 美人だけど性悪なライバルを対比させて、やっぱりブスがんばれ! と主人公を応援するのが普通だが、この映画のすごさは、

やっぱり美人がいいよね・・・

と世間のブス応援派をとことん屈服させることころにある。

ブスに輪をかけた性格ブスほど、不要なものはない。
んなもん生ごみと一緒に始末するしかないのだ。

美人なユリ先生があまりに純朴でいじらしく、彼女を貶(おとし)めようとする悪魔のようなミスクに肩入れすることができなったという点はこの映画の敗北なのではないのか? それともほんの一部のサイキックなファンだけを味方につけたらいいと思っているのか? 監督は一体なにを意図してそれぞれの性格を設定したのだろう。

インタビューでイ・ギョンミ監督は、

「自分が伝えたいものが理解してもらえなくて一番つらかった時期にこの脚本を書いていた」

と言うが、かくいう私は監督が伝えたいものが未だに分からず、つらい・・・。
はい。しょせんブスのひがみです。

残念なシーン。わたしならこう作る

1.ミスクの、赤面症&すぐに穴を掘るという特徴が活かしきれてない

ミスにんじん」とあるぐらい、ミスクの赤面症がこの映画のトレードマークなのに、それがストーリーに活かしきれておらず、中途半端に終わっていたような気がしてならない。ミスクが明らかに赤面症になるのは、序盤2回ぐらいのシーンであり、穴を掘るのも2回ぐらいしかない。

とってつけたようなトレードマークよりも、展開にはずみがつくような例えば、「赤面」している時だけは人が変わったように素直になる、とか純情になるとかだと話にメリハリがついて面白くなる。

また穴を掘ることに関しては、ミスクが家でも教室でも穴を掘ることから、穴だらけで校長には怒られ、大家にも追い出されたが、最後は「しあわせ」(もしくは死体でもなんでもいい)を掘り当てることが出来たとか、映画のメルクマールになるようなものに仕立てたら良かったのにと残念に思う。

所詮、わたしの下らない想像ではあるが。

2.語学室での名シーン。パク・チャヌク劇場だ!と思うが、やっぱりもの足りない!

語学室での裁判。責められるミスク(コン・ヒョジン)

この語学室のシーンは最大の山場だったのではないだろうか。

イ・ギョンミ監督だけでなく、パク・チャヌク監督がほくそ笑みながら仕掛けたような気がしてならない。ミスクの様々な悪事が、先生の本妻ウンギョが行う疑似裁判で暴かれていく。

裁判では当然、妻ウンギョが裁判官と原告を同時に演じ、被告はミスクと妻を裏切った夫の2人となる。証言者であるユリ先生とジョンヒの証言をつなぎ合わせると、ミスクジョンヒユリ先生をあざむいて、先生と寝たことが白日の元にさらけ出されていく。

学校の語学室を即席裁判所に見立てるのはさすがだ!と思ったが、いかんせんこの展開がありきたりで緊迫感に欠けていた。ミスクが罪を認め、もう先生にはつきまとわないと宣誓して終わるのだが、せっかくこんなすばらしい場面設定をしているのに何ともつまらない・・・。ああもったいないとため息ついた。

このつまらない展開で楽しいと思えるとしたら、もうそれは文化の違いとしか考えられない。はて、韓国人はこういう展開が楽しいのだろうか。だとしたら、日本人としては異文化理解にいそしまねばと諦めればいいことだ。

私ならこの裁判で、例えば本妻が夫を殺そうと周到に計画を練っていたとか、じつは悪事を働いてきたミスクをはるかに超える悪事をユリ先生が企んでいたとか、最大の被害者はミスクであった。ああ、ミスクはなんてかわいそうなの!?と、観客の推測を粉々にするような爆弾を投げ込むことを必死に考えると思う。

そうなのだ。やはりけなげなブスを最後には勝たせなくてはならない。
それが興行的に成功する鉄則なのだ。

ソ先生と寝て有頂天になっていたミスクだが、彼の一言で地獄に落とされる

3.コン・ヒョジンはやっぱり美しかった!

忘れてはならないのは、一番悪いのは好きでもないミスクと平気で寝た先生であり、彼がしっかりしていればこれほど話はややこしくならなかった。その意味では29年間守り続けてきた操を捧げたミスクが哀れに思えた瞬間であった。

さぁ、この映画、あなたならどう評価するか。

ブス役のコン・ヒョジンさんを見たくない人は安心してください。
どんなにブス役でも、さすがモデルをやっていただけあって、そのすらりとしたスリムな体型はブスになりきれてませんでした。

やはりコン・ヒョジンは・・・、美しかった!

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毒女 悦子

韓国映画をみてハッと胸をわしづかみにされたことありませんか?
悲しい時つらい時に韓国映画を見て、心がほんのすこし救われたことありませんか? しあわせを感じたことありませんか?

わたしはたくさんあります。

韓国映画のもつ奥深さになぐさめられたり、息もできない胸苦しさを覚えたり、一日中その余韻に浸ったり、夢の中まで追いかけられたり。 韓国映画に流れるあたたかいもの、残忍なもの、切ない永遠のものに、 ずっとずっと恋をしています。

同じ気持ちの人たちとつながっていたい。

アラフィフ。老後が心配。
でも死ぬまで韓国映画を抱きしめているぞ。

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