ラブロマンス

ハ・ジョンウとコン・ヒョジンが組んだ! ラブ・フィクション(2011)

2019-11-04

完璧な女を探し求める男と、現実を見つめる女。違いすぎる二人の、たった一つの恋愛!

作品情報

●評価 5.0★★★★★
●2011年製作
●上映時間 121分
●原題 러브픽션
●監督 チョン・ゲス
●脚本 チョン・ゲス
●出演
ハ・ジョンウ、コン・ヒョジン、チ・ジニ、チョ・ヒボン、イ・ビョンジュン、カク・トウォン、キム・ジフン、キム・ソンギ、ソ・ヒョヌ、カン・シンチョル、パク・チュンミョン他

ハ・ジョンウ、コン・ヒョジン主演「ラブ・フィクション」予告

あらすじ

ジュウォル(ハ・ジョンウン)は大した実力もないくせに、三文小説家ではなく文壇で名を上げる小説家を目指している。

彼女にふられ、スランプになって悶々としていた時、友達に、いい女とつき合っていないから書けないんだと言われ、やけに納得する。その通りだ。31年間、胸を焦がすような本物の恋愛をしていない。ジュウォルは強烈な恋愛をしたいと思った。

出版社の社長カク(チョ・ヒボン)を訪ねて、仕事の遅れを謝ると、ドイツに出張するから通訳として一緒に来いと誘われる。渋々同行するジュウォルだったが、パーティの会場で映画のバイヤーをしているヒジン(コン・ヒョジン)と出会う。美しくて才媛のヒジン。まさに運命の人、運命の恋が始まった瞬間だった。

帰国後、ジュヒョルの情熱的なアタックが功を奏し、ヒジンは次第に彼に心を許すようになる。ヒジンと付き合うことになったジュヒョルは幸せいっぱいだった。思い描いていた理想の女性、完璧なヒジンと一緒にいることで、執筆活動もどんどん捗(はかど)っていく。彼の連載は巷の人気を呼んだ。カク社長も大喜びだった。

しかし、この世で最高の恋愛にもいつしか倦怠期が訪れる。理屈家で理想ばかりを追いかけるジュヒョルにとっては、浮名を流してきたヒジンの過去がどうしても受け入れられなかった。次第にヒジンと距離を置きたくなるジュヒョル。それでも側を離れなかったヒジンだが、やがて不機嫌顔のジュヒョルに少しずつ冷めていく。

「いつまでも君のそばにいる」
ジュヒョルの言葉は嘘だったのか。愛とは生活だ。そこには完璧も理想もない。二人の愛が試される瞬間が訪れる。



この先は、ネタばれが含まれます。未だ観られていない方は読まないことをお勧めします!ぜひ映画(またはDVD)をご覧になってからお読みください。


脇毛丸出しをOKしたコン・ヒョジンさんに敬意を表す! あなたって最高の役者だ!

この映画は主演ハ・ジョンウの独白から始まって独白に終わる作品だが、わたしはコン・ヒョジンさん見たさにこの作品を選んだ。結果、観てよかった・・・もう本当に最高だった!!! ebayで韓国版まで購入してしまったほどだ!!!

ジュウォルと初めて夜をともにするヒジン。
ベッドインも奔放なヒジンであった

韓国でも一、二位を争う演技派コン・ヒョジンさんへの拍手喝采が止まない。最近観た映画の中で群発に笑わせてもらった。

初めて彼女がお泊りに来て、シャワーを浴びている間、居間で第九に合わせて踊るハ・ジョンウも大爆笑ものだが、なんといっても目玉はコン・ヒョジンの脇毛ベッドシーンである。

台本を読んてこのシーンをようく分かった上で、出演をNGとしなかったコン・ヒョジンは役者としてプロ根性すわっている!と心から感動した。

ジュウォルは野獣のようにヒジンをベッドに押し倒すが、彼女が両腕を上げた瞬間、茫茫(ぼうぼう)に生えた脇毛が目に入る。驚愕して凍りつくジュウォル。

アラスカの女性は剃ったりしないわ。あなただって生えてるでしょ」ヒジンは淡々と答える。

ぐがー。セリフが秀逸すぎて悶絶しそうだった。

想像するに、おそらくコン・ヒョジンは台本を読んだ時、このシーンを「なにこれ、おもしろい!」とほくそ笑んだと思う。他の女優なら敬遠する脇毛露出というゲテモノ見せを、彼女は「まかしてちょーだいな」って気持ちで挑戦したような気がする。しかも相手が実力派ハ・ジョンウだ。二人で「いいもの作り上げようぜ」とノリノリで取り組んだのではないか。

ライトタッチのラブコメだが、何度見返しても、このシーンはすばらしく気持ちが入ってるシーンだ。この後、ジュウォルは「脇毛夫人」を連載して大ヒット。ヒジンと付き合うようになって運が回り始める。冴えない男の冴えない人生がまるでドラマのように輝きだすのだ。

しかし、あの脇毛はニセ脇毛だったのか、それともコン・ヒョジンさん自前の脇毛なのか? ほんとうのところが知りたくてならない。

対照的な二人。平凡なジュウォルと非凡なヒジン。この映画は言葉のアートに満ちている。

どう見てもこの映画、ジュウォルが子供で、ヒジンが大人である。振り返ってみると、二人はことごとく対照的だ。

ジュウォルは理屈でモノを考えるが、ヒジンは直観で動く。
ジュウォルは恋愛下手だが、ヒジンは奔放で、彼は31番目の男だ。
ジュウォルは内向的だが、ヒジンは外交的だ。
ジュウォルは理想ばかりを追い求めるが、ヒジンは現実をようく知っていて夢を見ない。

チョン・ゲス監督は対照的な二人を描きつつ、一つの恋愛を表現しようとする。しかもその恋愛の過程はシンプルではない。山あり谷ありで、お互いの感情が爆発して、傷が広がる。しかし、二人が距離を縮めようと、時折掛け合う言葉がこれまた秀逸で、ノックアウトされる位、ぐっと胸に来る。

ヒジンは結婚に一度失敗しているからか、モノを見る目が非常に現実的で大人だ。一見奔放に放つ言葉も自然と深淵をもつ。

カフェで、ジュウォルが、僕が君を好きな理由を聞きたくない? と質問すると、ヒジンは、

「気になるけど聞きたくないわ。自分で想像するほうがいい。理由なんて一時的なものだし、別れる時、あなたをウソつきにしたくないの」

と答える。感心するジュウォル。ヒジンに、サランヘ(愛してる)と言うと、それにたいして彼女は、

「もっと他ににないの? 誰もが喜ぶ言葉じゃなくて、私にだけわかるように、もう一度言い直してみて」

ありきたりなサランヘよりもオンリーワンの言葉を求めるヒジン。


サランヘと言っておけば女が喜ぶと思っていたジュウォルは、一瞬うろたえる。咄嗟に、テーブルのプチトマトを見て、「僕は君を丸丸する」と答えると、個性的な表現にヒジンは喜んだ。

だがそれは、ジュウォルの友達で Yellow Submarineロックカフェのバンドマン、ファン(キム・ジフン)の歌詞から盗んだものだった。ヒジンの非凡に比して、ジュウォルの平凡が際立つシーンだったが、それでも二人が幸せならそれでいいのだ。

自分の非凡に気が付いていないヒジンの無邪気さと、平凡なくせに完璧な女を描いてそれにがっかりしていく哀れなジュウォル。二人の対照的な外見も中身も、この映画を最後まで引っ張っていく魅力だ。

恋愛は冷める。そんなことわかっていたヒジン。わかっていないジュウォル。

完璧な女性と出会うことが出来たと喜んだジュウォル。すべてが夢のようで、毎日が楽しく、ヒジンに、「僕はいつまでも君のそばにいる」「どうして(前の旦那は)君みたいな人と別れたんだ?」歯列矯正が原因で別れたと言うヒジンに、「僕は(君の)前歯が全部抜けても愛するよ」と誓った。

恋愛は冷めるものと知っていたヒジンだったが、まっすぐに気持ちをぶつけてくるジュウォルの存在は眩しかった。この人となら楽しく付き合っていけるかもと希望をもっただろう。そこが私がヒジンに惹かれる点だ。人生の最悪を知っているので、少しの優しさが嬉しく感じる体質になってしまっている。

一方、最高の恋愛は最高の人生を作り、自分は死ぬまで幸せだろうと思い込んでいたジュウォルは、人を愛することを理解することに時間がかる。ヒジンも完璧ではなく、脇毛茫茫(わきげぼうぼう)も、過去の男性遍歴も、大したことではないのにジュウォルを想像以上に苦しめる。

さんざんケンカした後、自分が悪かったとヒジンに謝るジュウォルだったが、ヒジンはすでに仕事を辞め、父親がいるアラスカに帰ろうとしていた。電車の中で、自分が失ったものの大きさに気づき、新聞を顔に押し付けて子供のように泣きじゃくるジュウォル。

まさにジュウォルの恋愛はすべてが子供そのものだった。小説を書くように恋に恋をしてきたが、ヒジンという現実に向き合って来なかった。ヒジンがジュウォルの全てを受け止めてくれたにも拘わらずだ。小説家はしょせん小説以外のなにもわかっていない。

連載「脇毛夫人」のラスト

この映画、最後が最高におもしろい!

ヒジンと別れてから、精神科のグループ治療に戻ったジュウォル。やる気も失せ、泣き暮らす日々ばかりが続く。

そこに、ジュウォルの恋愛指南イ・ビョンジュン)が現れ、うじうじする彼を釣り堀の中に突き飛ばして怒鳴りつける。「おまえなんかとやっとれんわ!」

やっと目を覚ましたジュウォル。悩んでいた連載「脇毛夫人」のラストは、マ刑事(ジュウォル)とヘヨン(ヒジン)を結婚させ、教会で指輪の代わりに手錠を交わさせた。これでもう二人は離れられない。

そして、自身はアラスカのヒジンの元に飛ぶ。
久しぶりの再会なのに、逃げるヒジン。追いかけるジュウォル。

「なんで来たのよ」
「頭を冷やして新作でも練ろうかと思って」
「笑わせないでよ」

はるばるアラスカに来たジュウォルはこの映画の中でも一番髪が伸び、浮浪者のような、強烈に気持ち悪い顔になっていたが、あれは演出なのか? どうしようもない現実なのか? 
そんな男でもヒジンはまた愛してしまうのだろう。だとしたら、これはもうフィクションどころではなく、リアルな性(さが)なのである。

さもなくば病気だ。

わたしはヒジンがジュウォルを川に突き落としてやればよかったのにと、エンディングロールを見ながらへらへら笑った。ヒジンのつらさは川の冷たさの比ではなかったのだから。

ヒジン、子供より始末がわるいこの屁理屈男ジュウォルをアラスカで気長に調教してやってくれ。

ああ。クソ男といい女の組み合わせって最高!


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毒女 悦子

韓国映画をみてハッと胸をわしづかみにされたことありませんか?
悲しい時つらい時に韓国映画を見て、心がほんのすこし救われたことありませんか? しあわせを感じたことありませんか?

わたしはたくさんあります。

韓国映画のもつ奥深さになぐさめられたり、息もできない胸苦しさを覚えたり、一日中その余韻に浸ったり、夢の中まで追いかけられたり。 韓国映画に流れるあたたかいもの、残忍なもの、切ない永遠のものに、 ずっとずっと恋をしています。

同じ気持ちの人たちとつながっていたい。

アラフィフ。老後が心配。
でも死ぬまで韓国映画を抱きしめているぞ。

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