メロー ラブロマンス

透きとおる感性に胸が熱くなる!「永遠の片思い」(2002)

2019-09-30

チャ・テヒョン、イ・ウンジュ、ソン・イェジンが贈る切ないラブストーリー

作品情報

●評価 3.5★★★☆
●制作 2002年
●上映時間 106分
●原題 연애소설(永遠の小説) 
●英語題 Lover's Concerto
●監督 イ・ハン
●脚本 イ・ハン
●出演
チャ・テヒョン、ソン・イェジン、イ・ウンジュ、ムン・グニョン、キム・ナムジン他

あらすじ

ジファン(チャ・テヒョン)は授業料と生活費を稼ぐためにタクシー運転手をしている。ジファンは寂しい日々を送っていた。時折思い出すのは5年前の楽しかった日々だ。(回想に入る)

5年前、ジファンは大学を休学してカフェでアルバイトをしていた。ある日、カフェに同年代くらいの2人の女性が現れる(スイン:ソン・イェジン、ギョンヒ:イ・ウンジュ)。女性たちは幼なじみだった。ジファンはその内の一人、スインに一目ぼれをする。

女性たちがカフェを出た後、ジファンは後をつけ、スインに一目ぼれしたと告白するが、スインからは「迷惑なんです」と丁寧に断られる。それでもあきらめきれないジファンは壁時計の針を戻して、「1時間前に戻しますから友達からはじめましょう」とお願いする。思わず笑うスインとギョンヒ。

友達になった3人は、サッカー観戦、遊園地、映画館と何かにつけていっしょに遊ぶようになる。最初は友達として接していたスインとギョンヒだったが、次第に優しくて正直なジファンに惹かれていく。

ギョンヒは、ジファンがスインを好きだと思っているので自分の心を抑え込み、スインもギョンヒに遠慮してジファンを好きになっていることを打ち明けられなかった。一方、ジファンは明るくて気さくなギョンヒに惹かれていく。

スインは、ジファンとギョンヒがお互いを好きになっていることを感じていた。ある日、ギョンヒは自分の心を止められず、ジファンにキスをする。しかし、結局スインもギョンヒもお互いを気づかい、ジファンと距離を置くようになる。

5年の月日が流れ、差出人の名前も住所もない手紙がジファンに届くようになる。ジファンはもしやと思って差出人を探しに出る。差出人を突き止めたジファンはスインとギョンヒがなぜ自分の前から姿を消したのか、疑問に思っていたすべてのことを知ることになる。



※この先はネタバレが含まれます。未だ観ていない方は読まないことをお勧めします。


今は亡きイ・ウンジュに胸が熱くなる。心の中で何度もありがとうとつぶやく。

イ・ウンジュさん、あなたは最高に輝いてた!

16年前に見てから、2度目。
映画を見終わってもさめざめと泣けた。

イ・ウンジュさんが生きていたら今どんなすばらしい役者さんになっていただろう。そんなことを考えると胸がいっぱいになった。

彼女の自殺から15年も経つのに、久しぶりに見る映像の中ではイ・ウンジュさんがキラキラ輝いていて、まるで何事もなかったかのように笑っている。なんて伸び伸びとした演技だろう。自然で愛らしくて、ああ、みんなに愛されたウンジュさんはこんなにもステキな人だったんだと改めて思った。

ウンジュさんが自殺された年、彼女の仕事ぶりを見ると「ブラザーフッド」「オー!マイDJ」「スカーレット・レター」の映画の製作・公開以外に、ドラマ「火の鳥」の出演等、壮絶な忙しさの中スケジュールをこなしていたことが分かる。忙しさで鬱症状も出ていた彼女を自殺に追いやった大きな原因となったのは、「スカーレット・レター」に出演した際の監督への人間不信や失望感とも言われている。

演技力があった彼女のことだ。人気が出て大作に出れば出るほど、任される責任は大きい。納得できない演出もあっただろう。それでも、それを乗り越えて彼女が生きていてくれたら、今どんなにすばらしい女優になっていたのだろうと残念でならない。
ソン・イェジンチャ・テヒョンは現在押しも押されぬ大ベテランとなり、彼らがキャスティングされれば必ずといっていいほどヒットを飛ばしてきた。あらゆる映画賞も総なめにしてきた。

ウンジュさん、あなたが生きていたら。
過去は変えられないのを分かっていながら、ついつい思ってしまう。

「永遠の片思い」は謎かけ映画

冬のソナタ」が2003年に日本で公開されたのを機に日本では嵐のような韓流ブーム(初期)が起こったが、「永遠の片思い」も韓流にはまる人に共通するハートを射ぬかれるような感覚を呼び起こす作品だ。

なにかなつかしい。なにか大切な。
昔失った、なにか切ない風景を思い起こさせてくれる。
もちろん、イ・ウンジュソン・イェジンチャ・テヒョンといい、当時を代表するトレンディ役者が出ていて、しかも演技は相当見応えがある。

しかし、レビューを見ていても、今いち高評価につながっていないのが本当のところで、それはこの映画がラブストーリーなのに、観賞後、しばらく考え込んでしまうところがあるからだ。


観客は、なにも考えずにただ泣きたいのに、ん???という問いを追う間が私たちの考えに入り込んできてしまう。ストーリーに伏線が仕掛けてあって、それを最後でネタばらしされた時にストンと来ればいいのだが、ぼやけたままのみ込めない。残念だ。ラブストーリーに「謎かけ」は要らない。シンプルでいいから、ストンと胸に落ちて泣かせてほしかった。

あと、一つだけ残念だったのが、過去と現在の行ったり来たりが分かりにくいところがある。5年しか経っていないので仕方がないのだが、とっくにチャ・テヒョンの容姿があまり変わっていなかったことから、過去と現在が混乱してしまいがちだった。

1つ謎が解けた。スインの初恋相手はギョンヒだった!

このレビューを書きながら、再度DVDをかけて見直したりしている内に、一つ重要な謎が解けた。今ごろ気が付いたのか!?と言われそうだが、堂々と自慢しちゃいます。気が付かない人もいるだろうから。

スインがジファンに話した初恋の相手だが、あれはギョンヒだった!
これ、気づいた人いたのかしら?(ジファンは気づいていないようだった)

スンヒとギョンヒ。男の子に見えるのがギョンヒ(本物のスンヒ)

スインとギョンヒは、お互いの名前を交換して周りの人に呼んでもらっていた。それは、二人が幼い頃から体が弱く助け合って生きてきたので、離れ離れになってもお互いをつねに忘れないでいたいという思いがあったから。

ここでは混乱を避けるために(実名ではなく)呼び名で統一するが、わたしはスインの初恋はてっきり男の子だとばかり思っていたが(だから混乱した)、この男の子の唇の左側にあるホクロが目に入った瞬間、この子がギョンヒだということに気づいた。

スンヒとギョンヒ(髪の毛伸びてます)


あ、そうだったのか。
スインはギョンヒを初恋の人と思うぐらい二人は昔から熱い友情で結ばれていたのだ。ただの友情ではない。この後も、二人は生死をさまよう病気を乗り越えて、励まし合って生きていくのであるから、恋人以上の間柄である。

その二人が、目の前に現れた一人の男性(ジファン)に惹かれ、心が揺れ動いていく。スインもギョンヒもお互いを強く愛しているからこそ、自分が身を引こうとする。またジファンを愛しているからこそ、彼から離れようとする。病気がちの自分など彼に似合わないと気づかうからだ。


このあたり心の描写が美しくて、本当にため息が出る。
韓国映画がもつみずみずしくて繊細なタッチが胸を打つ。

ギョンヒはスイン、スインはギョンヒ

最終章、ジファンが探し当てた手紙の差出人が視界いっぱいにアップになった時、本当にびっくりした。声は亡くなったスインだが、顔はギョンヒだったからだ。しかも、ギョンヒの髪は伸び、服も同じ。まるでスインそのものだ。

なぜギョンヒはスインの恰好をしていたのか?

答は、やはり二人の深い友情が永遠に続いているという証であろう。

スインは病気で亡くなったけれど、ギョンヒはスインとして、スインの分まで生きようとしている。スインの髪型をし、スインの服を着、スインが愛したであろうジファン宛に、投函できない手紙を毎日書くという作業をしながら。

そして、ジファンが大好きだったカメラを始め、写真を撮っていた。

ギョンヒは、愛していたスインとジファンを心に抱きしめながら、なにを思っていたのだろう。残された日々は少ない。

こうして映画に散りばめられた伏線を一つずつ辿っていくと、監督が表現したかったことが少しずつわかり始める。胸がかきむしられる切なさだ。韓国映画にはこのかきむしられるような「切なさ」が定番かつ必要なのだ。

ソン・イェジンさんの歌が聴ける

スインが、ギョンヒとジファンがお互いを好きだということに気づいてからしばらくした頃、切ない気持ちを隠しながら結婚式で歌を歌うシーンがある。

ソン・イェジン(スイン)さんがいきなり膝をぽくぽく折りながらお歌を歌いだしたので、椅子から転げ落ちてしまうほど笑ってしまったのだが、2019年の現在大スターになっているソン・イェジンさんの若い頃の歌うたいの姿におもわず拍手しました。

一度見た方も、これからの人も、ぜひリプレイして見てあげてください。清純でまっすぐなスインの美しい心そのままである。

ぽっぽっぽー、ハトぽっぽー

(スインの歌)

私が探し求めてる友達
でもなかなか会えない
広い世界を知っていて
小さな木の葉を愛せる人

ウォー ウォー
とても大事な人
イェー イェー
なかなか会えない

私が探し求めてる友達
私はきっと会える
私の愛する友達ジファン
私の愛する友達ギョンヒも

ウォー ウォー
いつかきっと会える
イェー イェー
私はきっと会える

ウォー ウォー
いつかきっと会える
イェー イェー
私はきっと会える

最後に、監督にこれだけは言いたい!

監督にこれだけは言いたいのだが、郵便配達の人が、人の家に勝手に忍び込み、人が出さないで置いてある郵便物を勝手に投函するという行為は、いかがなものなのか?

いくらその人が好きでも、それはやっちゃいかん。
これはストーカー行為。犯罪ですー。

この郵便配達人をだれか逮捕しろ!

こんないい映画なのに、この郵便配達人の行為は興ざめを生む。
こんなことしなくてもストーリーっていくらでも作れるでしょ?

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毒女 悦子

韓国映画をみてハッと胸をわしづかみにされたことありませんか?
悲しい時つらい時に韓国映画を見て、心がほんのすこし救われたことありませんか? しあわせを感じたことありませんか?

わたしはたくさんあります。

韓国映画のもつ奥深さになぐさめられたり、息もできない胸苦しさを覚えたり、一日中その余韻に浸ったり、夢の中まで追いかけられたり。 韓国映画に流れるあたたかいもの、残忍なもの、切ない永遠のものに、 ずっとずっと恋をしています。

同じ気持ちの人たちとつながっていたい。

アラフィフ。老後が心配。
でも死ぬまで韓国映画を抱きしめているぞ。

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