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ユ・ヘジンが世界一紳士なヒットマンを演じる!「LUCK-KEY」ラッキー(2016)

2019-11-09

ユ・ヘジンのファンなら絶対に観たい!観客動員数約700万人を突破! ヘジン旋風は止まらない!

作品情報

●評価  3.0★★★
●2016年製作
●上映時間120分
●原題 럭키(ラッキー)
●原作 内田けんじ監督「鍵泥棒のメソッド」
●監督 イ・ゲビョク
●脚本 チャン・ユンミ
●出演
ユ・ヘジン、イ・ジュン、チョ・ユニ、イム・ジヨン、チョ・ハンチョル、キム・ミンサン、チャ・ヨプ、パク・スンテ、ソン・ビョンスク、コ・ジュン、イ・ヨンニョ、チョン・ヘビン、イ・ドンフィ他

あらすじ

依頼された標的は100%仕留める殺し屋チェ・ヒョンウクユ・ヘジン)。裏社会では、彼と目が合ったら瞬殺されると有名だ。

この日もヒョンウクはきれいに一仕事を片づけ、車で帰路に向かった。ふと、袖口の血痕が気になり、きれい好きの彼は銭湯に寄る。しかし、そこで彼は石鹸に足をすべらせて大転倒してしまい、タイルに頭を激しく打ちつけて記憶喪失になる。

一方、ジェソンは役者志望の32才。家賃滞納は常連だ。役者として芽が出ず、なにもかもがイヤになっていたジェソンは自殺を試みたが、死にきれず、せめて身体をきれいにしてから死のうと、この日銭湯に来ていた。

誰かが転んだと騒いでいる人並みにジェソンイ・ジュン)は近寄る。失神したヒョンウクがぴくりともせず失神していた。彼が高価な身なりをしていたことを思い出したジェソンは、すばやく彼のロッカーのカギと自分のを入れ替える。病院に運ばれていくヒョンウク。

ロッカーからヒョンウクの高級時計と服を身に着け、札束でぱんぱんに膨れ上がった財布から金を抜き取り、知人に大盤振る舞いをするジェソン。おまけにヒョンウクの高級マンションにまで行き、彼になりきって暮らし始める。
一方のヒョンウクは、警察に自分のものと渡されたジェソンの小汚い服と少しの小銭を握り締め、自分はジェソンだと思い込む。記憶は戻らないまま、ジェソンが住んでいた木造の汚いアパートで暮らし始める。そんな彼を心配して何かと面倒を見てくれるのは、救急隊員のカン・リナチョ・ユニ)だ。

殺し屋と貧乏な役者志望が、ふとしたことで人生が入れ替わってしまった。ヒョウンウクはこのまま記憶が戻らないのか。ジェソンは高級マンションで生活することで幸せになれるのか。この映画には、コメディな中にきらきらと輝く人生の哲学が散りばめられている。



※これより先はネタバレが含まれます。まだ観られていない方は読まないことをお勧めします。


ユ・ヘジン、初めての単独主演で大ヒットを記録! 努力家で謙虚な男はついに銀幕で上り詰めた!

ユ・ヘジンが出ていると聞いただけで、映画を観る前からわくわくする。「タチャ イカサマ師」「黒く濁る川」「パイレーツ」等、たくさんの人気映画に出演してきた彼だが、今や、脇役だろうが主役だろうが、ユ・ヘジンという名前自体が韓国映画のブランドであり、タイトルになるような感じだ。日本でも、彼のファンだと公言するブログはすこぶる多い。

容姿はお世辞にも良くはない。ボタンより小さい目に馬のような歯。ワイルド系不細工の王道を極めている。長身イケメン俳優と並ぶと小柄に見える。だが、映像からあふれるエネルギッシュな気迫に心がわしづかみにされる。それが誠実な役柄ならなおさら心がもっていかれる。

彼が、テレビ番組で年下の俳優に敬語を使った逸話があるが、年配がいばる韓国社会では驚愕するような話だ。年下だろうが尊敬の気持ちをきちんと表す謙虚さがユ・ヘジンの人となりを表す。

謙虚で努力家。誰もが役者ユ・ヘジンをこう表現する。そんな彼が本作で初めて主役を勝ち取っている。ダブル主演ではない。しかも700万人を動員する映画として興行的に大ヒットした。シンプルなコメディ映画が、同年の話題作、「哭声」や「ラストプリンセス」を堂々と抜いているのは大したものだろう。

人生に嫌気がさして首をつろうとするジェソン。イ・ジュンが好演した

脇を固めるのは、イ・ジュン。2014年「カプトンイ」で超猟奇的サイコパスを演じて以後、俳優業に目覚め、人気KpopグループMBLAQを脱退。最近は、役者イ・ジュンとして風格が出てきた。31才にもなったんですね。

今作では、髪はぼさぼさで無精ひげ、家賃滞納の果て自殺しようとする無職役を演じたが、この情けな~い男を(イケメンの)イ・ジュンがやけに上手に演じていた。中年の男の色香というのか。無精ひげが似合う年頃になったんですね。彼は自分のイメージをぶっ壊して演じるのを楽しんでいるように見える。将来が楽しみな役者だなぁとほくそ笑んだ。

チョ・ユニ

その他、ユ・ヘジンのマドンナ役チョ・ユニさん。ドラマでは数々出演されているが、映画でしかもこれほどの大役を射止めたのは初めてであろう。年の離れたヒョンウンに真っすぐに恋をする純な乙女心を好演した。リナ救助員。


人生について考えさせられる。どんな状況でも絶えず努力する主人公ヒョンウク

ひとかどの役者になって恩返ししようとするヒョンウク

この映画では、ユ・ヘジンはスーパーキラー(殺し屋)を演じたが、殺し屋とは名ばかり、その実体は「誰も傷つけずに丸く治めます的フィクサー」だ。たしかに依頼は受けるが、ターゲットを実際には殺さず、殺したふりをして別の人生を歩ませ、依頼人とターゲット双方を幸せにするという商売だ。なんとステキな商売だろう。

わたしがこの映画で一番感動したのは、

石鹸を踏み転んだことで、人生が一変したヒョンウクだったが腐らずに前を向いて努力し、幸せを勝ち取ったことである。たしかに、ヒョンウクの場合、記憶喪失になったが故に以前のゴージャスな生活と比べて悲嘆することはなかったが、(ジェソンの)汚いアパートに入った瞬間や自殺をしようとしていたことを知ると、普通の人なら生きていたくなくなるだろう。

しかし、泣いていても始まらない。

彼は、まず汚部屋をきちんと片づけ、料理をして、人間らしい生活をはじめる。そして、「自分(ジェソン)」に関するひとつひとつの情報を集め、ノートに書き出す。自分はどんな人間だったのか? 何を目指そうとしていたのか? 名前、年齢、財産、得意なことは何か、苦手なことは・・・。アパートの周りの人にも自分を知っているか聞いて回る。気の遠くなる作業だが、そうすることで「自分」が少しずつ見えてくる。

ジェソンが刀を扱うことが得意だと知ったリナチョ・ユニ)は、自分の母親が経営する料理店で働くことを勧める。彼はそこでも店が繁盛するように努力して働く。得意の包丁さばきでもって、洒落たのり巻きを作ったり、かき氷を作ったり。店の前にはいつしか長蛇の列ができるようになる。

また、カレンダーにエキストラで出演する日が記されていたり、書棚にたくさん「演技」にかんする本があると、自分は役者になろうとしていたのだと気づく。すると、次の日から、役者になるためにひたすら努力を始める。本を読んで理論を勉強し、屋上で発声練習をする。ランニングをして体も鍛える。

もともと殺し屋的作法を身に着けていたこともあり、武術は得意でアクションなら本格派だ。最初はしくじって怒られてばかりだったが、生来の、まじめで一生懸命な姿勢が少しずつ監督に信頼され、準主役にまで上り詰める。

第二の人生を役者として切り開いていくヒョンウクだったが、どんなに努力をしても克服できないものがあった。アクションありの演技なら得意だが、アクション以外となると途端に出来なくなった。特に恋愛ドラマが。

ここでも彼の努力が光る。リナに一度だけキスの練習をさせてくれないかと申し出る。真面目顔のジェソン。リナも誠実なヒョンウクに惹かれていたこともあり、思い切ってキスをしてあげる。キスをリナから学んだヒョンウクは本番ですばらしいキスシーンを演じ、お茶の間の人気俳優へと駆けあがっていく。町を歩けばスターだ。不細工など関係ない!

記憶喪失のヒョンウク。まず自分とは何者かを知ろうとする

この映画はただのラブコメディではなく、深く学べる哲学がある

ヒョンウクを見ていると、心が感動するのだ。置かれた立場の惨めさにすぐに絶望せず、現状をひとつずつノートに書き出して、問題点を克服していこうとする。たとえ時間がかかってもだ。


若くて美形なジェソン(イ・ジュン)は役者をあきらめ自殺しようとしたが、一方、中年でしかも不細工なのにヒョンウクはあきらめず、努力をつづけ役者として成功していく。しかも家族のように接してくれる暖かい人の輪にも恵まれる。人生とはわからないものだ。結果はどうであれ、こつこつと努力する人の勝ちだとしみじみ思う。

謙虚で努力家のヒョンウクの姿は、まさに苦労人で努力家の役者ユ・ヘジンさん自身を表しているようで、観ていて心が感動でいっぱいになった。

最後、ヒョウンウクは自分の記憶を取り戻すが、ジェソンと恋人ウンジュ(イム・ジヨン)の危機を助けた後は、殺し屋にもゴージャスなマンションにも戻らず、リナの家族の下に戻る。まるで何事もなかったかのように団らんする家族の笑顔がそこにあった。

石鹸を踏んで記憶喪失になった先に、幸せがあった。
ヒョンウクの「努力」が幸せを見つけた。

いい映画だーーーー!

やけに耳に残るラッキーの挿入歌「그 사나이」by 허윤정과 양키즈

映画の挿入歌、「그 사나이」by 허윤정과 양키즈 1974「最高の男」by ホ・ユンジョンとヤンキース)の小気味いい旋律が頭の中をぐるぐると駆け回っている。パンチの効いた強烈なメロディーと歌詞に、頭がくらくらとなり、踊り出してしまいそうだ。

日本で言えば、昭和に世間を席巻した、ピンキーとキラーズの「恋の季節」のようなものだろう。この手のサウンドは、むしょうに郷愁を誘う! Youtubeで検索したが、字幕が出ているほうが歌いやすいと思い、上記の動画を掲載しておきました。楽しんでください。この映画、選曲のセンス、さいこーっ!

岩のごとく 私のハートを盗んだ彼
岩のように たくましい男
偽りのない 笑顔が魅力の
嵐のごとく 私のハートを盗んだ彼 ♪♪♪

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毒女 悦子

韓国映画をみてハッと胸をわしづかみにされたことありませんか?
悲しい時つらい時に韓国映画を見て、心がほんのすこし救われたことありませんか? しあわせを感じたことありませんか?

わたしはたくさんあります。

韓国映画のもつ奥深さになぐさめられたり、息もできない胸苦しさを覚えたり、一日中その余韻に浸ったり、夢の中まで追いかけられたり。 韓国映画に流れるあたたかいもの、残忍なもの、切ない永遠のものに、 ずっとずっと恋をしています。

同じ気持ちの人たちとつながっていたい。

アラフィフ。老後が心配。
でも死ぬまで韓国映画を抱きしめているぞ。

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