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西城秀樹じゃないのよヒョンビンなのよ!「百万長者の初恋」(2006) キム・テギュン監督、イ・ヨニ出演

2020-02-08

いい素材がたくさんそろっているのに、残念な映画。でもヒョンビン見れるだけで良しとしよう!

作品情報

  • 評価 2.5★★☆
  • 制作 2006年
  • 公開 韓国:2006年2月9日、日本:2006年12月23日
  • 観客動員数(ソウル基準)150,105人(2006年47位)
  • 上映時間 116分
  • 原題 백만장자의 첫사랑(百万長者の初恋)
  • 英語題 A Millionaires First Love
  • 監督 キム・テギュン
  • 脚本 キム・ウンスク
  • 出演
    ヒョンビン---カン・ジェギョン、百万長者祖父の遺産相続人(の予定)
    イ・ヨニ---チェ・ウナン
    チョン・ウク---校長、園長、ウォンチョル
    イ・ハンソル---ミョンシク、ポラム高校同級生
    チョ・ヨンジュン---クホ、ポラム高校同級生
    ハム・ユソン---ポヘ、ポラム高校同級生
    チョ・ギュチョル---スンチョル、ポラム高校同級生
    キム・ビョンセ---ユ弁護士
    イ・カニ---ウナンの母
    ヤン・グムソク---重役役員

日本語版の良い予告編がなかったので、これをどうぞ。

あらすじ(ネタバレなし)

祖父が亡くなり莫大な遺産が手に入ると喜んでいたジェギョン(ヒョンビン)は、がっかりだった。ケンカに明け暮れ、夜遅くまで酒を飲み歩き、不良のたまり場でウサを晴らす毎日。素行が悪すぎたために田舎の高校を卒業することを遺産相続の条件に出されてしまった。祖父は孫の人間形成のために簡単に相続させてはいけないと生前から一計を案じていたのだ。

死んでもなお小癪(こしゃく)に俺の邪魔をするじじーだ。ジェギョンはぶつぶつ文句を言いながら田舎に向かう。どうせ俺みたいな不良などもてあますにちがいない。問題を起こしてさっさと追い出されようと思った。

さっそく、転校初日からクラスの番長ミョンシク(イ・ハンソル)を呼び出し殴りつけてやった。親に呼び出されたので、さぞかし怒られるだろうと期待すると、夕飯を御馳走してくれてお土産までもたされた。男はケンカして強くなるものだと頼もしそうに笑う。がっくりするジェギョン。それではと、校長を金で買収しようと金をちらつかせると、遠回りしてでも正しい道を歩くべきだとニコニコ諭される。田舎の人間は怒らないのか。困りはてたジェギョン。

そんな彼を見て優しく笑うのはクラスの級長ウナン(イ・ヨニ)であった。ウナンはジェギョンを幼い頃から知っていたが、ジェギョンはウナンのことを覚えていなかった。いつか私の事を思い出してくれるかもしれないとウナンは思った。久しぶりに会ったジェギョンは、幼い頃のような正義感が強く純粋なジェギョンではなく、苦労を知らない生意気で世間知らずの腐れ若造となっていた。初恋の相手がこんなふうになるとは。ウナンはやれやれと思った。

ある雨の日、ジェギョンが園児に導かれるようについていくと児童園(恩恵園)にたどり着く。すると、遠い昔の記憶が鮮やかに蘇ってきた。幼い頃父母とここで幸せに暮らしていたこと。都会に引っ越す時に父母ともに交通事故にあい、すべての記憶を失くしたこと。父母が亡くなり自分だけが生き残ったことがつらくて、長年記憶を閉じ込めていたことを。

ウナンは、ジェギョンが数日学校に来なかったことを心配して自宅を訪ねると、ジェギョンはウナンの顔を見るなり、高熱を出して倒れる。介抱するウナン。ジェギョンはこの日を境にウナンのことが気になりはじめる。暇さえあればバイトに精を出し、クラスでは級長を引き受け、しっかり者で誰にでも優しいウナン。俺は金持ちなんだと二言目には吹聴するジェギョンは、ウナンにこてんぱんに言い返されるが、それさえもジェギョンはすがすがしく感じていた。

貧しくても凛とした強さをもつウナンだが、ウナンの体は病に蝕(むしば)まれていた。長年、慢性の心臓疾患に苦しみ、体はすでに悲鳴をあげていた。命のカウントダウンは始まっている。この冬までウナンの命はもたないかもしれないのだ。いままで欲しいものはすべて手に入れ、両親がいない寂しさから荒れ狂ったまま生きてきたジェギョン。愛する人が余命わずかだと知り、自分がウナンにできることは何かを必死に考えはじめる。

ヒョンビンの映画初主演の初恋ラブストーリー。
たんぽぽをそっと吹くヒョンビンに悶えまくりたいあなたなら、MUST-SEEな一本。



※この先は、ネタバレが含まれます。未だ御覧になってない方は読まないことをお勧めします。


主役高校生の設定に24才のヒョンビンって、あなた、無理がありすぎなの分かって作ってたの?

ワイルドな高校生ジェギョン。毎晩酒にたばこに、腐るほどのケンカ♥

すみません。この記事の主タイトルに西城秀樹さんの名前を使っちゃいました。でも、それほどヒョンビンと彼は似ていたので、映画を見ている間、わたしの頭の中には在りし日の秀樹がぐるぐるぐるぐる~~~~ローラ! それはもう見まごうばかりに二人は似ていました。世の中にこんなカッコいい男って二人もいるのね。


言い訳はさておき、この映画は、ヒョンビンが映画で初めてピン主役をゲットした記念すべき作品。しかもラブストーリー。ファンならわくわくするわよね。悶えまくるはず。でも、つくづく残念な映画だった。見た人はみんなそう思うでしょ?!

よし。さっさと言いたいこと書こうっと。
この映画一体なにがダメだったのか?

1.主役が高校生のわりには、24才ヒョンビンがおっさん過ぎて全然マッチングしてなかった。

ヒョンビン。せめて主人公の設定が大学生だったらよかったのに。

ヒョンビンはすこぶる格好いい男だ。どこから見てもいい男で、イヤな男を演じていても(実は)ゲスな感じがしなくて育ちの良さが伝わってくる。スター性とはそういうものだ。腐れ男を演じてもそうじゃなく見えるのがカリスマとかスターとかいうものだ。特別な星の下に生まれてきた人とそうでない人は、そもそもが根本的に違うのだ。

しかし、いくらヒョンビンがステキな王子様でもこの役には驚くほどマッチングしていなかった。しかし、悲しむことはない。それは、単に加齢のせいなのだ。

不思議なことに、2004年のヒョンビン出演の映画「まわし蹴り」は、本作品と制作がたった2年しか違わないのだが、あの時のヒョンビンなら本作品のジェギョンと見事にマッチングしていたと思う。「まわし蹴り」でヒョンビンはテコンドー部に所属するミンギュを演じ、高校生らしい若々しさを全身にまとっていた。顔も体も細く、青竹のような不安定な美しさがあった。それはまさに「出来上がってない美しさ」だ。この人どんな大人になっていくのだろうと思わせる未知な若さが、私たちおばさまをキュン♥とさせた。

ところが、本作品のヒョンビンはどうだろう。たった2年の歳月は彼を見事なまでにおっさんに変えている。熊のように大きな背中、太い腕、厚い胸幅。カモシカのような太腿!  なんとまぁぐびぐび酒をのむ姿が似合うこと。女を傍らにはべらし、煙草をふかし、ガニ股で歩く。確かに演技の世界だが、その演技がしっくりときてしまう顔と体にヒョンビンがなってしまったということに驚愕する。「まわし蹴り」のミンギュではあり得なかったことだ。

何よりわたしが、もうこりゃどうしようもないな・・・と思ったのが、彼の  あごヒゲ だ。青く入れ墨を入れたようなあごヒゲはどんなに剃っても剃っても黒々と精悍(せいかん)な24才のおっさん男性を主張している。ヒョンビンが映画の冒頭、高校にバイクで乗りつけ、教室に持ち物をとりに入った時のシーン。振り返った若々しい子供高校生たちと、おっさん高校生ヒョンビンの明らかな違い。監督、これ見てあなた何とも思わなかったの?! わたしは思わず膝を落として独り言ちた。

誤解しないでほしい。わたしはあごヒゲを何とかしろと言いたいのではない! キャスティングを変えたり、年齢設定を大学生にするとかそういった意味で、なんらかの手を打とうと思わなかったのか?ということだ。

あれを見て違和感を感じたのはわたしだけではないだろう。


もしかしたら、この映画はまずヒョンビンありきで始まったのではないだろうか?
ヒョンビンのためにラブストーリーが書き下ろされたのかもしれない。脚本家キム・ウンスクが「まわし蹴り」のヒョンビンを想像して書いていたら、現れたヒョンビンはものすごいスピードでおっさん化していて、クランクインしてからも彼のおっさん化は止まらず、山本リンダの歌のようになってしまったのかもしれない。もうどうにも止まらない♪

そして制作会社はヒョンビンをピン主役にして興行的に成功させようとしたので、ヒョンビンを代えることも出来ず、そのままヒョンビンで押し切ってしまった(ゲスな推測)。後述するが、脚本の失敗も災いいして、2006年のソウルの観客動員数は47位というさんざんな成績となってしまった。ちなみに1位は「王の男」、2位は「グエムル」。どちらも観客動員数350万人以上の大ヒット映画と化し、15万人の本作とは比べものにならない。
※シネマコリア 2006年韓国映画興行成績(ソウル基準)参照


一方、相手役のイ・ヨニは当時18才。病弱だが、可憐な高校生らしく、細く美しく、健気で涙を誘うウナンを力いっぱい演じた。イ・ヨニをキャスティングしたこと自体は良かったし、彼女の役作りもムダになっていない。他に登場する高校生も先生方も、恩恵園の小さなチビっこたちでさえ違和感がなくとてもよかった。かわいい!

唯一ヒョンビンだけだ。彼だけが、異様なおっさん化のあまり浮きまくっていた・・・。
しごく残念だ。

断言するが、これはヒョンビン様の責任ではない。ヒョンビンは自分にできる仕事をしたのだ。前述したように「加齢」というどうしようもないことが起こったのであり、それに対しては脚本を修正するという手を打たなかった監督と制作会社が一番責任を負うべきなのだ~。


ここまで書いてふと思った。
ヒョンビンの加齢一つでここまで長々と書ける自分に恐れ入った。よほどこのミスマッチングが気に入らなかったのだろう。なに様こいてんだあたし。ちがうのよ。もっといい映画にしてあげたかった。ヒョンビン様に申し訳なくて胸がいっぱいなの。

さて、次は脚本について吠えるかな。めらめら。

2.最大の失敗。脚本の構成が未熟。悲劇なのに笑えてしまうセリフ。含蓄がない薄っぺらな展開。

初めて韓国映画を見た人や、ドラマ好きな人ならこれでもいいのかもしれない。
しかし、韓国映画通やドラマ以上の深みを求めている人間としては、この映画は大失敗だ。

脚本が雑すぎるのだ。

①ストーリーに「記憶喪失」を用いる場合はとくに注意が必要だ。なぜなら「記憶喪失」を用いるとどんな展開も可能になる。「思い出した!!! ああ、あの時のあなただったのね!?」てな感じでロマンチックが簡単に呼べてしまうのだ。しかしこれは諸刃の刃ゆえに、慎重に使わないと返り血を浴びることになる。韓国映画にお得意のタイムワープもそうだ。時空を超えてめぐり会うというやつ。これもなんでもありの展開が叶う。

本作ではタイムワープの技法は用いなかったが、ジェギョンが親を失った悲しみから、過去ウナンに会ったことも、その田舎に昔住んでいたことさえも忘れていたという設定は、本作の展開では現実離れしすぎていて臨場感がぶった切りになった。見ていてこちらが恥ずかしくなったほどだ。観客を恥ずかしがらせる映画ってどんな映画よ!? 見事に、安易に「記憶喪失」を使って大失敗したというダメダメ使用例になってしまった。南無。


②また、「記憶喪失」以外についてもつっこみどころが満載なのだこの映画。
ウナンが心臓発作で倒れた時、病院にかけつけたジェギョンがいつの間にかウナンの隣りのベッドに寝ていて(手を伸ばせば届く距離)、何日か寝起きを共にするというシーンがあるのだ。こんなことってあるのか? 男女が同じ部屋で寝るって病院のだれが許すの? なんの説明もなくジェギョンがウナンの横に寝て暮らしているシーンを見せられて、腹がよじれるほど笑った人、あなたの頭は正常だ! 韓国の病院ってこうなのかしら? どう考えても変だぞ。


③あと、心臓疾患が大変な病気であることはわかる。だが、ジェギョンがウナンを助けてくださいと医者につめよった時、

「彼女は驚いても怒ってもいかん。
 それ以上に怖いのはだ。
 胸がいっぱいになったりときめいたりしたら心臓が止まってしまう」

と述べた医者の言葉にわたしは大爆笑してしまった。銀歯がとれてしまう寸前だった。

ひーひー!と胸から空砲が鳴り、笑い声と嗚咽が止まらず、ぐぎゃぎゃぎゃぎぇんづぢぎぐぐぐえへへggtthh とグエムル状態(パニック)に陥った。ここで笑わず素直に泣いている人がいたら、わたしはその人を心の底から愛してしまう。なぜならその人が一点の心の穢れ(けがれ)もなく育った人に決まっているからだ。サランヘ。

心臓病患者にたいする注意喚起に「愛」を引き合いに出して、ときめいたら死ぬぞと警告する医者ってこの世にいるのか? まるでコントだぞ。ウナンはその後、家でも踊りまくり、学校劇ミュージカルでも踊りまくっている。肉体的運動のほうが危ないというならまだしも、ときめいたら死ぬかも!ってセリフがこの映画での致命傷(コント)になるって、監督、あなたわからなかったの???!!!


あまりにもチープなセリフに最後まで耐えてきた我慢というダムが決壊してしまった。ヒョンビンが真面目に演じれば演じるほど、申し訳なくてはずかしくて。見ていられなかったです。すみませぬ。

(その他ダメ出しはまだまだいっぱいあるのですが、怒られそうだからここで幕引きします)

けなしてばかりいないわよー。この映画でよかったシーン(もう遅いって)。

さんざんけなしておいて、感動したシーンっていうのも何ですが、この映画でも感動したシーンはありましたよもちろん。ええ。どんな映画にも一つや二つは(ほじくれば)あるんです。このシーン忘れられないよなっていうのが。

1.一番感動したのは、ウナンがジェギョンから誕生日プレゼントをもらい、さめざめと泣くシーン

イ・ヨニの、この泣きのシーンはすばらしかった!

このシーンだけは、この映画のすべてのダメダメを無視して、泣けたシーンだ。写真を見ただけで涙がこみあげる。

ウナンの死期が近いことを悟ったジェギョンは、ウナンの誕生日を前倒して二人だけのささやかなパーティをもつ。その時ウナンに錠剤カプセルをプレゼントするのだが、その錠剤の中には愛の言葉がたくさん書かれていた。それを部屋にこもって一人読むウナンが泣きだし、ジェギョンもそっとウナンを抱きしめるというシーン。

イ・ヨニが演技でなく、ほんとうにウナンになって泣いていると思ったほどだ。

彼女の喉から飛び出す嗚咽が、死を目前にして「死にたくない」と叫んでいる一個の人間の悲しみをストレートに表していた。あまりの迫真の演技にハッとして、映画が終わってもこのシーンだけは心から離れなかった。すばらしい役者さんだと思った。

イ・ヨニさん。ほんとに感動した。ありがとー。

2.ジェギョンとウナンがたんぽぽ吹いてたわむれるシーン

単純に、絵的にとてもきれいだった。

夕日の中、ジェギョンとウナンに吹かれて飛ぶたんぽぽの綿帽子も、それを見つめるウナンもジェギョンもほんとうにきれいで、命がきらきら輝いている映像に感動した。このすばらしい一瞬一瞬に人間が生きているということ。有限な中で小さな人間が一生懸命生きる美しさに、とにかく理屈抜きで感動できるシーンだった。

二人を包む優しい田舎の風景。山が連なり、夕焼けが田畑一面に広がり、一日の終わりをやさしく告げている。もうすぐ命を終えようとしているウナンがタンポポの綿帽子を空に吹いて、命をつなげようとしている。命は永遠につづいていくのだと言いたげに綿帽子は夕焼けに飛んでいく。愛しそうに見つめるジェギョン。

赤いシリーズで百恵ちゃんと友和が演じたように、病気に阻まれようが何があろうが、二人の愛は永遠なんです。きっと。

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ビョンビン主演 「百万長者の初恋」(2006)

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毒女 悦子

韓国映画をみてハッと胸をわしづかみにされたことありませんか?
悲しい時つらい時に韓国映画を見て、心がほんのすこし救われたことありませんか? しあわせを感じたことありませんか?

わたしはたくさんあります。

韓国映画のもつ奥深さになぐさめられたり、息もできない胸苦しさを覚えたり、一日中その余韻に浸ったり、夢の中まで追いかけられたり。 韓国映画に流れるあたたかいもの、残忍なもの、切ない永遠のものに、 ずっとずっと恋をしています。

同じ気持ちの人たちとつながっていたい。

アラフィフ。老後が心配。
でも死ぬまで韓国映画を抱きしめているぞ。

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