A級作品!お金かけなくても、これだけすばらしい映画ができるんだ!

作品情報
●評価 4.0★★★★
●制作 2014年
●上映時間 109分
●原題 개를 훔치는 완벽한 방법(犬を盗む完璧な方法)
●英語題 How To Steal A Dog
●監督 キム・ソンホ
●脚本 イ・ハンビン
●出演
キム・ヘジャ、イ・レ、カン・ヘジョン、イ・チョニ、イ・ホンギ他
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※この先はネタバレを含みます。未だ視聴されていない方は、読まないことをお勧めします。
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いやあ・・・楽しかった。
めちゃくちゃ楽しかった。
笑えたし、泣けたし、もう感謝感謝の作品。
観客動員数は約5万人とそれほど大ヒットした映画ではないのですが、私的にはこういうほのぼのとした作品こそが、映画鑑賞の真骨頂のように思える。
ハリウッド映画にないものを韓国映画に求めているわたしには、まさにどんぴしゃりの映画。ebayで、ちゃんと韓国版DVDまで買ってしまいました。
いい映画だな、ああ観てよかったなと心底思わせてくれる作品。
また子供がしゃべる韓国語なので、易しくて聞きやすい。
韓国語の勉強にもなります!
原作は、アメリカでベストセラーになった”How To Steal A Dog" (バーバラ・オコーナー作)だというが、よくぞここまでおもしろく劇場化できたなと感心した。脚本家ってすごいですね。
これだけ荒唐無稽なストーリーをさも実際にそこで起こっているかのように見せて私たちを笑わせたり泣かせたりする。魔法の才能です。
テーマは家族。
ある日、父親が失踪し家を失った小学生のジソは、母と弟との生活を守るため、家を買おうと考える。そのためには、お金持ちの犬を誘拐して身代金をもらうことを思いつく。なんとも子供らしくてかわいいアイデアです。
イ・レ扮する主人公ジソが家を買うために奮闘する姿が、それはもういじらしくて、観ているこちらも手を握り締めて応援しました。
いいぞ!逃げろ!つかまるな!
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子役が活躍する一方で、往年の大スター、キム・ヘジャさんが出ていて、作品全体が引き締まり、チープな感じがまったくなかった。韓国映画ファン歴が長い方は、キム・ヘジャさんが出ているだけで観たいと思うのではないでしょうか。
「母なる証明」のウォンビンさんの母親役といえば、今の人はすぐ思い出してくれるかもしれませんね。
イ・レちゃん、めちゃくちゃ演技が上手でした。
これぐらい上手かったら将来が怖い。
いくら子供は純真だからって、こんなにのびのび演じられるんだろうか。
その自然な演技に脱帽しました。
イ・レちゃんは、「ソウォン/願い」(2013年)にも出てましたが、「ソウォン」では、8才の少女で性暴行事件の被害者という大変な役を演じてましたね。もう痛々しくて涙が枯れ果てるほど泣きましたが、今回の「犬どろぼう」では子供らしい無邪気さが爆発していて、安心して見れます。

また、ジソの親友チェランちゃん(イ・ジウォン)もこれまた最高!
主役にぜんぜん負けてなかった。まさにこの子たちは明日の韓国演技界を担う天才子役ですね。このコンビ、将来なにかの作品で絶対に組んでほしい。
勘がいい。間合いの取り方、とぼけ方。
まるで藤山直美を見てるような感じ。目を見張った。
子供といっしょに見て楽しめる映画No.1!
心があったかくなる!
