パニック

「大怪獣ヨンガリ」Yongari -Monster From The Deep(1967)

2019-10-07

踊るヨンガリは世界のアイドルだ! K-POPへデビューさせろ!

作品情報

●評価 3.0★★★
●制作 1967年
●制作国 韓国・日本(編集版は米国・韓国)
●上映時間 74分
●原題 용가리(ヨンガリ)
●監督 キム・ギドク(金基悳) ※キム・ギドク(金 基德)とは別人
●出演 イ・スンジェ、ナム・ジョンイム、Yeong-il Oh, Moon Kang他



※以下、「あらすじ」をはじめとしてネタバレが含まれています。未だ御覧になっていない方は、読まないことをお勧めします。


あらすじ

中東で大きな地殻変動があり、韓国の災害対策本部は中東で核実験がなされたのではないかと予想した。偵察員(イ・スンジェ)を宇宙に飛ばして調べるもなかなか詳細がつかめない。

核実験でなければ大きな地震があったかもしれない。対策本部はその地殻変動の波動が通常の地震とまったく異なっていたことや、自国に向かって震源が移動してきていることから、海外の専門家にも応援を求める。

しかし、時すでに遅し。地震が猛烈な勢いで黄海道に迫ってきたところで、とうとうその正体が明らかとなる。それは地震のように地中を移動する大怪獣ヨンガリの仕業であった。災害対策本部は、すぐさま戒厳令をしいて国民を避難させようとするが、ヨンガリはソウルの中心地に現れ、街中のビルというビルを破壊しはじめる。

科学研究員のイール(Yeong-il Oh)は婚約者スンイル (Moon Kang) が止めるのも聞かず、ヨンガリを見に行くと言い出す。自分の目で観察した上でないと対策を打てないからだ。スンイルの弟イーチョもイールについていく。

イールとイーチョは、都市を破壊して歩き回るヨンガリをじっと観察しているとあることに気がつく。それはヨンガリが燃料タンクを破壊してオイルを飲んでいた時に、間違ってアンモニアの集積したタンクに触れてしまい、アレルギーを起こしたことだ。体中のかゆみに苦しむヨンガリ。

そうか! ヨンガリはアンモニアが沈殿したものが苦手で拒否反応を起こすのだ! イーチョとイールは研究室に戻り、空から放射できるようアンモニア水の化学実験を繰り返す。

明け方、ようやく実験に成功し、ヘリコプターに大量のアンモニア薬品を積んだイールたちは、ヨンガリの頭上に飛び、生成した化学物質を放射する。苦しみはじめるヨンガリ。ミサイルでさえも倒せなかったヨンガリが膝をがくりと落とし、ゆっくりと地面に倒れていく。

韓国に平和が戻り、国会では怪獣退治歓迎記念式が行われた。たくさんの新聞記者に囲まれるイールとイーチョ。ヨンガリを倒した功労者への質問はつきなかった。ハッピーエンド~♪

60年代の怪獣ブームを支えた日本の撮影スタッフチームが韓国でもヨンガリ誕生を支えた

ただの怪獣映画だとあなどっていたわたしがバカだった。
異常におもしろいではないか。気に入った。

だいたいゴジラガメラも見ない私がいきなり「ヨンガリ」に挑んだのは、それが単に韓国製だからだ。韓国映画なら何でも見ておきたい。

製作について、韓米合作と記しているのもあるし、日韓合作としてあるのもある。どちらか分からないが、大映のガメラシリーズを担当していた日本の撮影スタッフが製作に加わったという。さもありなん。幼い頃見慣れた風景がそこにあった。

特撮シーンで登場する戦車や航空機等も、自衛隊の戦車・航空機がモデルであり、日本の制作チームの力がいかんなく発揮されている。ということは、製作は日韓の合作であり、編集だけ by 米韓という意味か。なんでも日本が貢献したとするのは韓国に失礼だが、怪獣やアニメにかんしては日本抜きで韓国単独での製作は無理だっただろう。

この映画を見終わった後に、Youtubeでゴジラをじっくり観察したが、ゴジラはヤクザのような睨(にら)みをするし、より爬虫類に似ていて薄気味悪いが、ヨンガリはぬいぐるみのようで愛らしい。

夜一緒に寝るならヨンガリだなと確信した。

かわいいヨンガリ

怪獣ヨンガリだもの。深く考えないで素直に楽しむ。それだけでいい

子供がいればいっしょに見て楽しんで見るといい。
どうせ子供だましの映画だと思って見ていると、しっぺ返しをくらう。

あれ、このビルってものすごいリアルだな。作るのに苦労しただろうなぁ、ヨンガリのしっぽが生き物のように動いてるぞ、この口から出る火柱、どうやって出しているんだろう。怖くないのか?

などと、いろんなことに感心してしまう。


もちろん、細かいことをつつき出したら終わりがないので、敢えてそんなことはしない。ウルトラセブンを楽しんでいた幼い頃は、あれが本当の世界のように思えていたのだ。山のように大きな怪獣に震えたし、いつかウルトラセブンのお嫁さんになって毎朝みそ汁作るのだと真剣に思っていた。

あの頃のピュアな心を思い出して、怪獣映画をひたすら作ってくれた人たちに心から敬意を払いたい。子供を喜ばそうとして全身全霊で作ってくれたのだから。

映画は全篇英語で話されているが、字幕があるのでついていける。
それでも、ああこれって韓国の映画なんだとハッとしたのは、韓国の大御所イ・スンジェさんが登場した時やチマ・チョゴリを着て逃げまどう女性を見た時。それ以外は日本のウルトラマンシリーズとほぼ変わらない。

韓国の大御所イ・スンジェ(이순재) さん

イ・スンジェさんが若くて、思わず手を叩いた。

こんなところに出ていたんですね。かっこいい。
新婚役ということでキスシーンも出てきましたが、現在のようにベチョベチョ吸いまくるキスではなく、唇を外してする清廉なキスでした。題してヨンガリスペシャルちゅー。

これもどうぞ楽しんで見てください。

日本のゴジラでもこんなチューってあったかしら。
イ・スンジェさんやりますね。

人間くさくて愛されるヨンガリ

ヨンガリは街を破壊して人の生活を脅かすふとどきな奴なのだが、憎みきれないところもある。

それは、体中にかゆみをおぼえて子供のように掻きむしったり、楽しいと踊りはじめたりするところだ。いきなりの人間くさい動作に、あんた何考えてるの?と吹き出してしまう。

イーチョと一緒に踊るヨンガリ。ええ加減にせーよ

アニメのどろろん閻魔くんやウルトラセブンにもあったが、妖怪や怪獣の中に人間性を見出し、これにシンパシーを感じてほろりと思わせるやり方だ。日本人はこういう場面を作品に入れるのが得意なように思う。

撮影技術だけでなく、ヨンガリの脚本の中にも日本的な情緒が入れられたのか。詳細はわからないが、怪獣映画なのになんとなく心があったかくなる感じがした。

ヨンガリは最後、人間の手で殺されてしまうが、精一杯暴れまくったヨンガリに悔いはないだろう。漢江の大橋も破壊したし、石油タンクも爆破した。
惜しむらくは平壌にまで辿りつかなかったことだが、それは後輩のプルガサリ君(↓)に任すことにして、君は安らかに眠りたまえ。アーメン。

北朝鮮大怪獣プルガサリ。
・・・だれか何とかせーよ

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毒女 悦子

韓国映画をみてハッと胸をわしづかみにされたことありませんか?
悲しい時つらい時に韓国映画を見て、心がほんのすこし救われたことありませんか? しあわせを感じたことありませんか?

わたしはたくさんあります。

韓国映画のもつ奥深さになぐさめられたり、息もできない胸苦しさを覚えたり、一日中その余韻に浸ったり、夢の中まで追いかけられたり。 韓国映画に流れるあたたかいもの、残忍なもの、切ない永遠のものに、 ずっとずっと恋をしています。

同じ気持ちの人たちとつながっていたい。

アラフィフ。老後が心配。
でも死ぬまで韓国映画を抱きしめているぞ。

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