スプラッター ホラー

韓国ゾンビは情にあふれまくってる!「隣りのゾンビ」(2009) オ・ヨンドゥ監督と愉快な仲間たち

2020-02-22

心までゾンビになりたくないと泣くゾンビども。あんたたちってサイコーだよお!

※この映画、エロではないですがグロです!!!! 
 血が飛び散るスプラッターものです。
 心臓悪い方は絶対に見ないことをお勧めします!

作品情報

  • 受賞 2011 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 オフシアター部門 グランプリ  他
     
  • 評価 3.5★★★☆
  • 制作 2009年
  • 上映時間 89分
  • 公開 韓国:2010年2月18日
  • 観客動員数 2849人(ソウル)
  • 原題 이웃집 좀비(隣りのゾンビ)
  • 英語題 Neighbor Zombie
  • 監督 ①②オ・ヨンドゥ、③ホン・ヨングン、④リュ・フン、⑤チャン・ユンジョン、⑥ホン・ヨングン
  • 脚本 ①②オ・ヨンドゥ、③ホン・ヨングン、④リュ・フン、⑤チャン・ユンジョン、⑥ホン・ヨングン
  • 出演 ホン・ヨングン、ペ・ヨングン、キム・ヨジン、ハ・ウンジョン、イム・ジョンソン、キム・ヨジン他

    ※丸数字はオムニバスの番号

あらすじ(ネタバレなし)

オ・ヨンドゥと愉快な映画仲間が作った作品第2弾。低予算ながらも人間愛に満ちたゾンビの世界観を余すことなく表現している。ゾンビウィルスに感染した人間は罪なのか。加害者なのかそれとも被害者なのか。悲哀に満ちたゾンビを通して人間社会をシニカルに見つめる。

<前置き>
舞台は、2010年韓国。ブリンデル製薬会社の研究員デイビッド・パクがエイズ患者を救うワクチンを開発したが、中央アジアでの違法な治験中に突然変異型ウイルス(=ゾンビウイルス)が発生する。ウイルスはすぐさま全治験地域に広まり、2010年10月28日、ついに韓国でも感染者が見つかる。

2010年11月2日、政府は非常戒厳令を敷き、
2011年  1月20日、感染者にたいする射殺命令が発令される。
同 年 3月末、   総感染者数は582万人。総死亡者数、320万人に達する異常事態となる。


<オムニバス① すきま> ゾンビプレリュード。見えない恐怖と対峙する男。

世間が異常事態になっていようと、フィギュア製作に夢中の男はいつものように愛するフィギュアをいじっている。が、ふと誤ってカッターをベッド下に落としてしまう。すきまに手を伸ばすと、いきなり指を何者かにかまれてしまう。指が血まみれになっていた。この暗いすきまに何かがいるのだ。何だろう? 

男は今度は引き出しに近づくと、今度は引き出しのすきまに手を挟まれてしまう。やっとの思いで引き抜くと指が裂けて血だらけになっていた。男は恐怖を感じはじめる。この部屋を出なければ殺されると直感した。必死に出ようともがくが、今度は本当の恐怖が男を襲う。


<オムニバス② 逃げよう> ゾンビになりつつある恋人に対する愛
街はゾンビであふれかえっていた。外からは、特攻がゾンビを次々と射殺する音が聞こえてくる。あるカップルが部屋に隠れていた。男はゾンビウイルスに感染しており、片目はすでにゾンビ化していた。

二人はお互いに深く愛し合っていたが、男は女を食べてしまいたい欲求を抑えていた。心までゾンビになりたくないと、男は必死でウイルスと闘う。女はそんな男を見て、自分も苦しみを分かち合いたいと男の血をなめ、ウイルスに感染する。

二人は心中を考えたが、やはり生きようと考えなおし、変装をして外に出て治療を受けようとする。外には銃を構えた狙撃隊が二人をまっていた。


<オムニバス③ 骨を削る愛> ゾンビと化した母を必死に守る娘の愛
娘は自分の指をナイフで切り落とした。激痛が体を走る。娘は、その指と流れ出た血液を集め、家の奥に監禁していた母に与えた。母はゾンビウイルスに感染し、獣のように生肉を求めていた。投げ入れられた娘の指に飛びつき、血液を飲むようになってもう幾日か経つ。外は相変わらず特攻がゾンビを銃殺して回っていた。

警らに訪れた警察官が母の咆哮に気づき、銃をもって家に入ってきた。娘に緊張が走る。母を守らなければならない。とっさに後ろから警察官を煉瓦で殴り、気絶させる。意識が戻った警察官はこの家の異様な光景に言葉を失う。ゾンビ化した母を見捨てられず家の奥に匿う娘。そして自分の指を切り与えている。それは果たして正しいことなのか。警察官と娘の問答がはじまる。


<オムニバス④ ワクチンの時代> 理性をもつゾンビとゾンビハイの闘い
パク博士は自分と妻の体を実験台にして、ついにゾンビワクチンの開発に成功する。頭は理性をもつが、体はゾンビのままだ。そんなパク博士はワクチンを届けようと統制区域に入るが、ワクチンを狙ってさまざまな人間の争いが起こる。
まず、ゾンビの体液から作られたゾンビハイ(麻薬)を打った大男が立ちはだかる。パク博士とは反対に、外見は人間だが心はゾンビと化した化け物だ。次に、統制区域に救護に来た捜索隊の間でもワクチンをめぐって醜い争いが起る。


<オムニバス⑤ その後・・・ごめんなさい> 元ゾンビ人間は加害者なのか被害者なのか。
ワクチンが功を奏し、ゾンビに感染者したヨングンは回復し、普通の生活に戻る。しかし、元ゾンビ患者たちは差別を受け、就職もなかなかできず、生活苦に追い込まれる。恐怖で寝汗をかいたり、生肉を食べたくなる衝動に襲われることを誰にも言えない。唯一の慰めは、元感染者たちだけで集まり酒を飲むことだ。

ある日、帰宅したヨングンは家の前にきれいな女性を見かける。しかし、その女性にいきなりナイフで腕を刺される。数日後、またその女性が現れ、今度は足を刺される。気弱なヨングンは誰にも言えず、一人耐えて傷を癒す。その女性の正体が分かる日がくる。なんとその女性はゾンビウイルスに感染したヨングンに襲われた両親の娘だという。娘はヨングンに復讐しようとつけ狙っていたのだ。

過去自分が犯した罪に怯えるヨングン。ヨングンをどうしても殺すと言い張る女性。ゾンビウイルスに感染していた人間は被害者でもあるのに、世間は何もかも責任を押しつけて来る。


<オムニバス⑥ ペインキラー> 締め切りに追われる男。
原稿の締め切りまで7分47秒。その間、ただひたすら本作の
原稿に追われる男。追われて追われて追われて、トイレに行く暇もなく、座ったまま小便をして必死に時間を稼ぐ。気がつくと一人の警察官が家の中に入ってきて、上から男に銃を構えていた。見上げる男。その顔にはゾンビの初期症状が現れていた。



※この先は、ネタバレが含まれます。未だ御覧になってない方は読まないことをお勧めします。


抱腹絶倒! 宇宙の果てに向かってスキだー!って叫びたい。ゾンビ映画の中でも群をぬいて愛してる!

あまりにもインディすぎてわろた。あたしゃ好きだー!

気になって観客動員数調べたら、たったの3000人弱・・・。なのにどーして日本でDVD発売されたんだろうか? 日本っていい国だなぁ。愛すべき国だ! こういうシャレが分かる国に生まれたことを誇りに思う。映画小僧が小銭もちよって家で作ったような映画。オ・ヨンドゥさんたちは、お金がないから服も小道具も自前。映画作りどころか、ポスター撮りまで自宅でやるという。

根っからの映画小僧どもが三度のメシより映画が好きで、ぼろぼろのTシャツ着てニッコニッコしながら作った作品のもつ、毒ぶりというか、茶目っ気ぶりがわたしにはおもしろいほど伝わった。のけぞるほど笑わせてもらった。ここに登場するゾンビたちみーんなステキすぎて愛してしまう。


この映画の奥深さがわかるあなたは天才だ!
わたしと気が合う。

西洋映画を含めてゾンビ映画はたくさん見てきたが、これほど心をもっていかれたゾンビ映画も稀(まれ)だ。

仮に、「シュール」という言葉を、「非現実的な世界観をもって現実の世界に肉薄してくる感性」と定義すると、 この映画はまさにゾンビというあり得ない世界観をもって、私たちの人間の心情を揺さぶる何かがある。何かが!

それはゾンビが元々は人間であり、ゾンビになっても流す涙や悲しみや愛しさを、わたしたち人間が共有できるからである。そういう共感をねらってこの映画はつくられている。ハートにずしんと来て泣ける。


少々グロいが見事な映画である。

左から、オ・ヨンドゥ、ホン・ヨングン、リュ・フン
画像:세계일보 http://www.segye.com/newsView/20100301001056

なんだろう。このわくわくする気持ちは。

パク・チャヌク監督の独特な世界観と似通うものがあって、傍から見るとバカバカしくて笑える世界観なのだが意外と人間に真実味をおびて迫っていく。ワクチンをめぐる利権争い、国家の偽善や保身、人間性を見失うまいと泣く感染者、愛する人の血を吸って自分も感染する恋人、愚かだと笑われても母を匿(かくま)う娘、娘を捕食してはいけないと己と闘う母親、加害者でないのにごめんなさいと謝る元感染者。

感染しただけで、なぜこれほどまでに苦しまなければならないのか。奇跡的に生き残っても世の中から差別され、就職することもできない。おまけに加害者とののしられ、ゾンビウィルス拡散の首謀者のように扱われる。事を悪化させたのは、暴利をむさぼる製薬会社とそこから大量の献金を受けている政治家なのに、彼らは何の罰も受けない。そこには不条理の連続が横たわっている。とどめは、世間の無関心だ。うがー。


登場する人間ゾンビの、人間性を失うまいと必死にもがく姿もー、泣けてきて仕方がなかった。あたしアホかしら。

低予算で作られているが、決してチープな感じがしない。深くて深くて、数多のシュールの波におぼれるほど。ああ、オ・ヨンドゥ、ホン・ヨングン、リュ・フン。愛すべき3人の監督の類まれな才能にホレボレする作品だ。ちゅ。

感動のオムニバス① シャレたBGMと一人芝居。得体の知れない相手(=すきま)への恐怖

オムニバス①は、フィギュア大好きのオタク青年が出て来るので、もちろんウルトラマンフィギュアも出てくるし、ウルトラマンの光線ポーズも登場するという、日本人にはうれしいカットがある。

なによりこのシーンで注目したのは、シャレたワルツのBGMに加えて、「すきま」というタイトルが実に言い得て妙(いいえてみょう)だったことだ。
ゾンビ映画だから、ゾンビがドバドバ出て来るのかと思ったが、最初のオムニバスにはゾンビが全く登場しない。ゾンビとの戦いを真正面から描くのではなく、「すきま」という簡易な恐怖をまずもってきている。子供の頃は、暗いすきまにさえびびりまくった記憶は誰にでもあるはずだ。このアイデアはおもしろい。

そのすきまに手を入れたら何かが主人公の手にかみついた。自分しかいないはずの部屋でである。恐怖のプレフュードに観客も訳がわからない恐怖へと引きずり込まれるのだ。

そのすきまに潜む恐怖にやっと気づきはじめた男は、逃げようと決意して奮闘するのだが、見えない相手に完璧に体を蹂躙されてしまう。もがけどもがけど逃げ出すことができず(もちろん外はゾンビだらけなのだが)、気づいたら足の甲が切断されている。驚く男。しかし、こともあろうかその血だらけの足を無性に食べたい衝動にかられ、腹をすかした犬のようにがりがりと食べてしまう。ゾンビウィルスが入り込み主人公の欲求を完全に操りはじめていた。

自分の足をうまそうだ→食べたい→食べたら美味しかった→自分っておかしいんじゃないか?戸惑う男
この感情の変遷は、この上ない恐怖そのものでした。うまいなー。

感動のオムニバス② 感染しても人間らしさを失うまいとあがくゾンビ

オムニバス②は、この映画の中で一番、韓国ゾンビの悲哀があふれていて、悶えるほど好きなシーンが多かった。

体はウイルスに侵されても心までゾンビになりたくないと泣くゾンビがいじらしくてならないのだ。
ゾンビになるとまず両目が変質する。しかし、半分だけしか変質していない半ゾンビの男は、まだ人間の心をもっているし、失うまいと必死で体内のゾンビウイルスと闘う。

自分のために泣いてくれる恋人を前にして、実は飛びついてその肉をむしゃむしゃと食べつくしたい衝動にかられるが、必死で耐える。男の目から目玉が飛び出てぶらりーんと垂れ下がり、またそれを目玉に戻すシーンがあるが、これはもはや人間の成せる技ではない。

そんな中、恋人は悲しむあまりなんと男の血を吸い自分もウイルスに感染して即刻ゾンビへとなってしまう。すげー。こんな愛し方ってあるのか?
そして、人間愛に満ちた二人のゾンビは、まだひとしきりウイルスと闘う。

治療するためには外出しなければならないのだが、警察に撃たれないよう変装をしていこうと思い立つ。二人は、部屋の中でコスプレごっこを楽しみ、酒を飲み、鼻歌を歌い、ダンスをして、結婚のプロポーズまでする。現実には閉塞感があるが、彼らはまだ希望を捨てていない。愛とはすごいのだ。これが一人だったらこれほど強くはなれないであろう。わたしはこの人間くさいゾンビの描き方がすごく好きだった。西洋ゾンビにはなかった!


そして、二人が外に出た直後、銃声が二人を包む。ああ。


感動のオムニバス③ 一瞬、娘を思い出してフリーズする完ゾンビ母ちゃん。

ここも上記の理由と同じ理由から、ピックアップした。人間愛なんですよ愛!


完ゾンビ化した母を家に匿っていた娘だったが、ある日訪ねてきた警ら隊にバレてしまう。警察官ともみ合っている最中に、眠りから覚めた母が娘を襲うのであるが、母ゾンビは娘を襲う寸前、数秒間ぱたりと動作が止まるのである。

最愛の娘を思い出したのか、じっと娘を見つめる母の表情。体の中で暴れまくるゾンビウイルスに、一瞬勝利した母の愛が表現されていた。こんなになっても人間は最後まで人間であろうとじたばたするんだね。わたしは胸が熱くなった。母をいつか治してあげたいと必死に匿ってきた娘。最愛の娘だけは食べまいとふんばった母ゾンビ。頑張り空しく、最後は二人とも警察官に銃殺されてしまうのだが、銃殺した警察官も銃を下ろすと、血を浴びた右目はゾンビ化していた。

ようこそゾンビの世界へ。

感動のオムニバス④ 「ゾンビハイ」というゾンビ麻薬のネーミングに妙に感動!

イ・ハンソル

ゾンビハイ男、イ・ハンソルさん、登場。

ヒョンビン主演の「百万長者の初恋」でクラスの番長役で出ていたと思ったら、こんなところでゾンビハイになってお仕事してました。がはは。笑えた。190cmと高身長の彼が、外見は人間なのに頭だけゾンビ化しているという狂人を演じたのだが、ごっつい恐怖感を与えることに成功している。


しょーもないことだが、この「ゾンビハイ」というネーミングがすばらしい。この麻薬を打つと、ゾンビのようなスーパーテンションになるのである。麻薬の中でも超高級で向かうところ敵なし。だが、このゾンビハイが生まれてきた背景は悲しい。ゾンビウイルスを発生させてしまったブリンデル製薬会社が、なんとゾンビの体液から作ったものであり、こともあろうか彼らはこれをテロリストに売ることで巨額の利益を得るのだ。

名のある製薬会社が表向きは人の命を救う薬を販売しながら、裏では人を廃人にするゾンビハイを闇社会へ垂れ流す。モラルハザード崩壊の社会では、こういうことがいとも簡単に起こるのだろう。泣くのはいつも大多数の情報弱者だ。


このオムニバスでは、感染してゾンビとなってもがく人間と、自らゾンビハイになる人間の二種類が出て来るが、どちらの人間も一様に悲しいものがある。ゾンビになるのも地獄、ゾンビハイになるのも地獄だ。悪いのは製薬会社とそこから多額の献金を受ける政治家どもだ。このオムニバスはまことにシニカルの山が連なっている。

オムニバス⑤ シュール度爆発! 苦しむ元感染者と被害者。世間の無関心。

元感染者二人と被害者の女性

オムニバス②で恋人とゾンビウイルスに感染した男ヨングンがまた登場する。あの後、運よく彼だけ助かったのだろうね。恋人が登場しないってことは、彼女は銃殺されてしまったのだろう。

このオムニバスで最も胸が痛いのは、元感染者が世間から差別を受けて苦しむ姿だ。就職して社会復帰がしたいのにそれさえできない。時折フラッシュバックスするのは人間を捕食した時のおそろしい感覚と罪悪感だ。夜も眠れず、いっそのことあの時死んでいればと感染者は毎日どこかで思っている。

まともに考えたら、あれだけのパニックが国中を襲ったのである。国家がゾンビ殺害命令を出したほどの国難だったわけで、それを生き抜いて助かった元ゾンビたちは身体にそれ相当の障害をもっているのだから、元ゾンビ患者年金なるものをつくって支給し、社会復帰を援助してあげるべきだと、私はまじめに考えちゃったりするのだが、韓国にそんな優しい政府などあろうはずがない。


それどころか、ある日突然、両親を捕食され犠牲になった娘が復讐しに玄関に現れる。美人な子だとうっとり見ていたら、いきなりナイフでぶすりと刺してくるのだ。どうだ? この恐怖は、想定外でやけに不意をつかれる。自分の脳みそがゾンビウイルスに侵されていた頃の行動は、自分では制御できないものだ。なのに娘はヨングンを「加害者」と呼び、憎しみを爆発させる。

そこへたまたまある男が強盗に入ってくるのだが、この男も元感染者であった。元感染者であることから職を得られず、仕方なく強盗業に身を落としているのだろう。彼は元感染者を責めたてるこの娘を殺してしまえ!とヨングンに叫ぶ。娘の怒りには同情する部分もあるが、国家をはじめとする非感染者は自らを助けるため感染者を殺しまくったのである。つまり、娘の両親も男に噛まれてゾンビ化し、結局は国家によって銃殺されている。娘の怒りは分かるが、怒りの矛先が違うのではないか。強盗男は叫ぶ。

三者三様の怒りがぶつけられる最後のシーンは圧巻だ
まるで週末のドラマチック劇場のようですごくよかった。



結局、気の弱いヨングンは娘を殺すことができず、娘をかばい銃弾を浴びて死んでいく。悲しい結末にわたしは涙がちょちょぎれた・・・。ヨングン、最後までいい人だった。だれも憎まず、娘にナイフで刺されても一人で耐え、毎晩神に祈り震えていた。心が弱い人間はこうして強い人間によって殺されるしかないのか。


ヨングンが何度何度も言った言葉が胸にささる。
ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ・・・

オムニバス⑥ 締め切りに追われる男もやっぱりゾンビだったというオチ

最後はリュ・フン監督自ら出演。

最高でしたねこのオチ

与えられた時間は、7分47秒だ。
本作の脚本の原稿を時間とにらめっこして必死に書いている男は、リュ・フン監督だ。
キーボードを打てども打てども原稿は進まず、少しでも時間を稼ごうと座ったまま瓶に小便をし、濡れた手はTシャツになすくる(おげー!)。

頭痛がして鎮痛剤を飲むと頭がぼんやりしてくる。出前持ちが入ってくるが、(いつのまにか)部屋にいたゾンビが出前持ちを捕食する。驚きもせずゾンビを静観する締め切り男。何かがちがう。何かが彼の頭と体の中を侵略していて、彼はその意のままになっている。よく見ると、彼もまたゾンビウイルスに侵されていた。

射殺したのは、オ・ヨンドゥ監督。いえーい。

原稿の締め切りに没頭していて自分がゾンビ化していたのに気がつかない哀れな男。
そのゾンビ男を射殺したのは、なんとオ・ヨンドゥ監督でした。はははは。

なにからなにまで身内で作ってしまうヨンドゥと愉快な仲間の映画でした。


インディ映画って楽しすぎる♥

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毒女 悦子

韓国映画をみてハッと胸をわしづかみにされたことありませんか?
悲しい時つらい時に韓国映画を見て、心がほんのすこし救われたことありませんか? しあわせを感じたことありませんか?

わたしはたくさんあります。

韓国映画のもつ奥深さになぐさめられたり、息もできない胸苦しさを覚えたり、一日中その余韻に浸ったり、夢の中まで追いかけられたり。 韓国映画に流れるあたたかいもの、残忍なもの、切ない永遠のものに、 ずっとずっと恋をしています。

同じ気持ちの人たちとつながっていたい。

アラフィフ。老後が心配。
でも死ぬまで韓国映画を抱きしめているぞ。

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